3月27日に2011年IZODインディカー・シリーズ開幕戦セント・ピーターズバーグの決勝レースが開催。連覇を狙う王者ダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ)が開幕戦を制した。2位には昨年タイトルを争ったウィル・パワー(ベライゾン・ペンスキー)が続き、チームを移籍したトニー・カナーン(KVレーシング-ロータス)が3位に。佐藤琢磨(KVレーシング-ロータス)はスタート直後の混乱を交わし、自己ベストの5位で終えた。
IZODインディカー・シリーズ開幕戦ホンダ・グランプリ・オブ・セント・ピーターズバーグは27日に決勝レースが行われ、ダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ)が初優勝を飾った。佐藤琢磨(KVレーシング/ロータス)は5位に入り、幸先の良い入賞を果たした。
スタート直後のターン1ではエリオ・カストロネベス(ペンスキー)、ライアン・ブリスコー(チペンスキー)、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)が多重クラッシュによりストップ。アンドレッティ・オートスポーツのマルコ・アンドレッティ、ライアン・ハンター-レイ、マイク・コンウェイも序盤にして優勝争いから脱落する波乱の展開に。
4周目のリスタートで予選2番手だったフランキッティはトップに立ち、そこからは2番手以下を突き放して周回を重ねて行った。
「パワーを抜いたのは気分が良かった。彼らを突き放してからは、ペースをコントロールしていた。タイヤを酷使せず、リスタートなどが必要になった場合に備えて走っていた。こうしてシーズン最初のレースを優勝で飾り、多くのポイントを格闘できたことはとても嬉しい」とフランキッティは話していた。
ポールシッターだったウィル・パワー(ベライゾン・ペンスキー)はリスタートで他車と接触してポジションを7番手までダウン。その逆にリスタートの混乱を何度も潜り抜けてシモーナ・デ・シルベストロ(HVMレーシング)が2番手にまで浮上した。
デ・シルベストロは1回目のピットストップでパワーに抜かれて3番手へダウンし、その後にカナーンにパスを許して4位となった。フランキッティ、パワー、カナーンの順で表彰台メンバーは決定と思われたが、2回目のピットストップからゴールまでをフランキッティとパワー、そしてデ・シルベストロがソフトタイヤであるレッドで走ったのに対し、カナーンはスタートと第2スティントでレッドを使ったためにブラックしか選択肢はなかった。そのため、ゴール目前になってデ・シルベストロの猛チャージを受けた。
フランキッティのトップは揺るぎようがなく、パワーは淡々と2位を走行する状況だったこともあり、カナーンとデ・シルベストロのバトルが最後は大きな注目を集めた。女性ドライバーの逆転劇を期待したファンも多かっただろうが、ベテランのカナーンは元チャンピオンの経験と実力を見せつけて最後まで3位のポジションを守り抜いた。
それでもデ・シルベストロにとって4位はベストリザルト。去年ルーキーだった彼女のベストは8位(ミドオハイオ)だった。
佐藤琢磨がシルベストロの後方5位でフィニッシュ。11番グリッドからスタートした琢磨は、1コーナーを抜けた時には6番手まで順位を上げていた。多重クラッシュの餌食にはならなかったからだ。しかしレッド装着での序盤はハンドリングが完璧ではなく、リスタートでアウトになってばかりだったこともあって10番手まで後退。1回目のピットストップではダニカ・パトリック(アンドレッティ・オートスポーツ)を抜いたが、序盤に重なったフルコースコーション中にピットストップを行っていた面々に先を越されて12番手まで順位が下がった瞬間もあった。
しかし、第2スティントからの琢磨は安定した速さを保ち続け、順位は着々と上がって行った。2回目のピットストップを迎えた琢磨は6番手となっており、ピット作業を終えてコースに戻るとアレックス・タグリアーニ(サム・シュミット・モータースポーツ)を抜いて5番手に浮上していた。すでにデ・シルベストロは10秒以上も前を走っており、デ・シルベストロを抜いて4位になることはフルコースコーションでも出されない限り難しかった。逆に後方にはピットで抜いたタグリアーニが迫っていた。
琢磨はタグリアーニの追撃を振り切り、5位でゴール。去年のブラジルでの0周リタイアとはまったく逆に、自己ベストリザルトを9位から5位へと大幅に更新させてのフィニッシュでシーズン開幕戦を終えた。
「リスタートで順位を落とす苦しいレースになってしまいましたが、ペースを上げてオーバーテイクも何台かして、ピット作業も素晴らしかったことで順位を上げて行くことができました。シーズンのスタートとしては良いものが切れたと思います。これからも上位を目指して頑張って行きます」と琢磨は5位フィニッシュを喜んでいた。今年のチームとマシンならやれる。そう手応えを掴んだのだろう。
IZODインディカー・シリーズ第1戦セントピーターズバーグ
ハイライト(www.indycar.com)