2011年F1第8戦ヨーロッパGPは現地時間26日にスペインのバレンシア・ストリート・サーキットで57周の決勝レースが行われ、レッドブルのセバスチャン・ベッテルがポール・トゥ・ウインで今季6勝目を挙げた。ザウバーの小林可夢偉は16位でフィニッシュし、7戦連続のポイント獲得はならなかった。

 決勝日の現地バレンシアは快晴。気温27度、路面温度は47度という絶好のドライコンディションでレースは午後2時のスタートを迎えた。グリッドでは、多くのマシンがソフトタイヤを装着するなか、11番手のビタリー・ペトロフ、16番手のセルジオ・ペレスら後方の数台がミディアムタイヤを選択した。

 レースは、ポールポジションのベッテルが好スタートを見せてトップを守り、2番手のマーク・ウエーバーも無難なスタートを見せる。しかし、後方では5番グリッドから猛ダッシュを見せたフェリペ・マッサが3番手のルイス・ハミルトンを交わして一気にウエーバーに迫ると、4番手のフェルナンド・アロンソもハミルトンをパスしていった。

 1周目を終え、順位はベッテル、ウエーバーのレッドブル勢が1-2。スタート後の2コーナーでアウトサイドに振ったアロンソがマッサとポジションを入れ替えフェラーリ勢が3、4番手。ハミルトンが5番手で、ジェンソン・バトンはニコ・ロズベルグに前を行かれて7番手を走行。10番手スタートのエイドリアン・スーティルが9番手に上がり、14番手スタートの可夢偉もひとつポジションを上げた。

 序盤はベッテルが3秒前後のギャップでレースを引っぱり、2番手ウエーバー以下も1秒前後の間隔で続いていく。そして、10周を過ぎたところから1回目のピットストップが始まると、上位勢も13周目のハミルトンからピットストップを行い、引き続きソフトタイヤを装着。ウエーバーは14周目、ベッテルと3番手アロンソ、6番手バトンは15周目、16周目に入ったマッサはハミルトンの先行を許し5番手にポジションを下げている。

 レースが2スティント目に移ると、先頭を走るベッテルの後ろで3番手のアロンソが快調なペースで周回を重ね、21周目にはDRSを使ってウエーバーをパス、2番手に浮上する。だが、レース中盤の30周目に迎えた2回目のピットストップではウエーバーが再び2番手を奪い返し、上位は再びレッドブルの1-2となる。
 一方、4番手のハミルトンはトップからすでに20秒も離され、ピット作業に手間取ったマッサはさらに10秒遅れて5番手、6番手のバトンはベッテルから40秒以上の差となり、レースは完全にトップ3台による争いとなった。

 レースは中盤から終盤にかけてもベッテルが安定したペースでリード。ベッテルから2秒差のウエーバーと3番手のアロンソが1.5秒前後の差で2番手争いを繰り広げる展開が続く。

 その後、2番手争いは3回目のピットストップに持ち込まれたが、ここでフェラーリは先にピットインしたウエーバーが周回遅れにつかまるタイミングまでアロンソのピットストップを延ばし、見事2番手を奪うことに成功。最後に履いたミディアムタイヤでもペースを守ったアロンソは、レース終盤にウエーバーがギヤシフトにトラブルを抱えたこともあって2番手のままチェッカーを目指した。

 結局レースは、完璧なレース運びを見せたベッテルがポール・トゥ・ウインで今季6勝目、通算16勝目を挙げた。母国レースのアロンソが2位表彰台に上がり、ウエーバーが3位。上位フィニッシュのうち、唯一2回ストップを選択した地元のハイミ・アルグエルスアリがカナダに続く8位をゲットし、予選で10番手と健闘を見せたスーティルも9位に入った。

 ザウバーは、セルジオ・ペレスが1ストップ作戦で入賞まであと一歩の11位フィニッシュとしたが、期待の可夢偉はレースペースに苦しみ16位。これで可夢偉の連続入賞記録は6で途切れることになった。

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