11日に起きた東北地方太平洋沖地震から2週間以上が経過し、モータースポーツ界でも復興支援へさまざまな活動が行われているが、27日、スーパーGT500クラスでホンダHSV-010をドライブしている7人のドライバーが、栃木県鹿沼市の総合体育館を訪れ、被災者にエールを送った。
今回の7人のドライバーの訪問は、「自分たちに何かできることはないか」と模索し、鹿沼市が地元であるKEIHIN HSV-010のドライバー、塚越広大が発起人となり、塚越のほかホンダドライバーの道上龍、金石年弘、武藤英紀、伊沢拓也、中山友貴、山本尚貴といったスーパーGTドライバーが参加、300名以上の被災者が避難している鹿沼市総合体育館を訪れたもの。
まずは避難されている方々の状況確認、そして避難所生活を強いられている子供たちのことが気にかかったホンダドライバー7人は、お菓子を携え体育館を訪れ、「避難されている皆さんの気持ちが少しでも晴れれば」とさまざまなレクリエーションで子供たちと楽しい時間を過ごし、笑顔を引き出していた。
「とにかく今回の大震災は、言葉では言い表せない大きな衝撃を受けました。地震のこと、津波のこと、原発のこと、それらの被害や、被災された方々のことを思うと日本人として何かしたいけれども、何をすればいいのか……と思っていました」と発起人の塚越。
「僕の地元の市営体育館に被災された方々が避難されて来ていることを知り、いてもたってもいられず仲間に声をかけて行動しました。とにかく被災された方々がどのような避難生活を送られているのか、また皆さんに元気を取り戻していただくにはどうすれば良いのか、小さな事からしかできないと思いますが、一緒になって行動していきたいと思っています。僕たちも日本のモータースポーツの一翼を担うレーシングドライバーとして、社会的な責任は当然ありますし、他のスポーツ同様モータースポーツも、ファンの皆さんが応援してくれて初めて価値のあることだと思っています」
「僕の地元に被災された方々が避難されて来たので、すぐにできることからバックアップしていきたいと思っています。そして一緒に行動してくれたドライバー仲間達も同じ気持ちでいてくれています」
塚越と6人のドライバーたちは、体育館に貼られた「頑張ろう福島」の寄せ書きにメッセージを記し、「僕達は皆と一緒に走り続けます」と書かれたHSV-010のボードとともに、笑顔を取り戻した子供たちと写真に収まっていた。ホンダGTドライバーたちは、これを機会にプロスポーツ選手として、さまざまな被災者支援を行っていきたいとしている。