ポルシェは12日、911 GT3Rにウイリアムズ製のハイブリッドシステムを搭載した『911 GT3 Rハイブリッド』をジュネーブモーターショーで公開、VLN(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)に参戦の後、ニュルブルクリンク24時間に挑戦すると明らかにした。
この911 GT3 Rハイブリッドは、世界中のスポーツカーレースで活躍する911 GT3 Rに独自のハイブリッドシステムを搭載したレース専用マシンで、フロントに設置された2基のモーターで駆動され、エンジンをアシスト。電源供給はウイリアムズ・ハイブリッドパワー製のフライホイール式ジェネレーターによって行われる。
ウイリアムズ製フライホイールはもともと、F1ウイリアムズのKERS向けに開発されたもので、現在は主に市販車向けの開発を行っていたという。「我々の技術が世界をリードするテクニカルカンパニーであり、最も拡張あるスポーツカーメーカーのひとつであるポルシェのレーシングカーに採用されることになり喜んでいる」と語るのはウイリアムズ・ハイブリッドパワー社のイアン・フォーレイ。
フライホイールは最高回転数が40,000rpmで、フライホイール自体が運動エネルギーを蓄えるという。ブレーキング時にフロントアクスルの2基のモーターがジェネレーターとして作動し、このフライホイールジェネレーターにエネルギーを蓄積。その後、KERSのようにエネルギーを使用することができるとのこと。パワーブーストは約6〜8秒間使用可能で、同時に燃費向上も実現するという。
この911 GT3 Rハイブリッドはジュネーブモーターショーで公開された後、VLNに参戦しながらテストされ、ニュルブルクリンク24時間耐久レースにトライするという。ポルシェによれば「このレースでの目的は911 GT3 Rハイブリッドで勝利することではなく、最先端のテクノロジーの推進と『レースラボ』において今後のロードゴーイングスポーツカーにおけるハイブリッドテクノロジーの使用に関するデータを取ること」としている。