WEC世界耐久選手権に参戦しているポルシェは、来季に向けてLM-GTEクラスへの参戦体制を縮小し、プロクラス/アマクラスともにフル参戦は各1台となった。プロクラスでは、ル・マン24時間のみ3台体制となる。

 ポルシェは今季、LMP1クラスにポルシェ919ハイブリッドで参戦するとともに、LM-GTEプロクラスにもワークスチームであるポルシェ・チームマンタイから2台の911 RSRで参戦。LMP1でマニュファクチャラー/ドライバーのダブルタイトルを獲得するとともに、GTEでもマニュファクチャラーズタイトルやチームタイトル、そしてドライバーズタイトル(91号車のリヒャルト・リエツ)を獲得している。

 一方で、来季に向けてLM-GTEのプログラムを縮小するのではないかともウワサされていたポルシェ。実際に16年シーズンは、プロ/アマ両クラスで各1台のフル参戦へと変更されることとなった。

 プロクラスでは、ワークスチームのポルシェ・チームマンタイに代わって、今季はLM-GTEアマクラスを戦っていたデンプシー-プロトン・レーシングが、ワークスサポートのもとでプロクラスにもフル参戦することになった。マシンには、今季GTチャンピオンのリエツが乗り込んで連覇に臨むとともに、今年もリエツのチームメイトを務めたミカエル・クリステンセンがラインナップ。ル・マンでのサードドライバーは、ウォルフ・ヘンツラーが務める。

 ル・マン24時間のみ3台体制となり、1台にはパトリック・ピレ/ケビン・エストレ/ニック・タンディの3人が、そしてもう1台にはアール・バンバー/フレデリック・マコウィッキ/ヨルグ・ベルグマイスターの3人が起用される。なお、エストレは今年までマクラーレンGTのワークスドライバーを務めていたが、来季からはポルシェに移籍することとなった。

 ポルシェのGTモータースポーツ部門を率いるフランク-ステファン・バリサーは、来季は新FIA-GT3車両のカスタマーカーに取り組むとともに、16年から導入される新GTE規定での車両開発における研究期間になるのだと説明した。

「これは主に、我々が現時点では新911 GT3-RでのGTレースに取り組むとともに、2017年のGTEプログラムに取りかかっているためなんだ」

「2017年に全力を尽くすことができるよう、2016年に向けては一歩下がることが必要だということだ」

「ただ重要なことは、我々がWECのGTEクラスへのサポートを続けるということだ。我々には、来年もこの興味深いクラスを維持していくという責任があるからね」

 なお、LM-GTEアマクラスも、フル参戦はデンプシー-プロトンの1台体制に。今年はこのチームからアマクラスにフル参戦していたハリウッドスターのパトリック・デンプシーは、来季も撮影のスケジュールの合間を縫って同クラスにスポット参戦する予定だ。

 ちなみに北米のウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ(WTSC/今季までのUSCC)には、引き続きポルシェ・ノースアメリカから2台の911 RSRが参戦。911号車にはピレ/タンディ、そして長時間のレースではエストレがサードドライバーとして参戦。912号車はマコウィッキ/バンバーがドライブし、長時間のレースではクリステンセンが加わる。

本日のレースクイーン

松田蘭まつだらん
2025年 / オートサロン
AUTOWAY/東京オートサロン2025
  • auto sport ch by autosport web

    RA272とMP4/5の生音はマニア垂涎。ホンダF1オートサロン特別イベントの舞台裏に完全密着

    RA272とMP4/5の生音はマニア垂涎。ホンダF1オートサロン特別イベントの舞台裏に完全密着

    もっと見る
  • auto sport

    auto sport 2025年4月号 No.1606

    [検証]F1史上最大の番狂わせ
    ハミルトン×フェラーリ
    成功の確率

    詳細を見る