昨年のアメリカン・ル・マン・シリーズ(ALMS)でLMP1クラスのチャンピオンに輝いたマッスルミルク・ピケット・レーシングが、今年のル・マン24時間耐久レースに参戦しない方針を明らかにした。

 2012年、13年と2年連続でALMSの王者に輝いているマッスルミルク・ピケット・レーシングは今季、LMP2カーのオレカ03・ニッサンを投入してユナイテッド・スポーツカー・チャンピオンシップ(USCC)のPクラスにフル参戦。また、ALMSからの指名によりル・マン24時間への招待枠を獲得していた。

 チームは当初、ル・マン24時間へ参戦する意向を示し、チームのレギュラードライバーであるクラウス・グラフ/ルーカス・ルーアとともにチームボスのグレッグ・ピケットがステアリングを握る予定であるとの報道もなされていた。ただ、12日にチームが明らかにしたところによると、現在参戦しているUSCCでの戦いに専念することを決断し、ル・マンへの参戦を断念したという。チームボスのピケットは、声明の中で次のように語っている。

「ル・マンに参戦することを本当に楽しみにしていたし、再びステアリングを握ることにも興奮していたんだ。ただ、現時点ではチームにとって適切なことを行う必要がある」とピケット。チームは、08年にローラB08/60・ジャッドでル・マン24時間のLMP1クラスに参戦した経験も持っている。

「かつてル・マンに挑戦したこともあるから、それにどれだけ手間がかかり、どれだけよく準備をしなくてはならないかは分かっている。それに、特に新たなマシンでチャンピオンシップを戦うのにどれだけの作業量が必要かもよく分かっているしね。これが今季のUSCCで我々が1台体制をとった理由でもある」

 USCC開幕戦のデイトナ24時間では、LMP2と同じくPクラスを戦うデイトナプロトタイプ(DP)が速さを見せた。マッスルミルク・ピケット・レーシングは、LMP2勢の最上位となる総合5位を獲得したものの、上位4位を独占したコルベットDP勢に対しては3ラップダウンという結果となっており、そうしたことも今年のル・マン参戦を断念した一因になっているようだ。

「デイトナ24時間が終わって、我々が直面しているものが分かった。非常に険しい道のりだよ。ベストを尽くして戦うことができるのは分かっているが、チャンピオンシップの中でやり残したことがないと確かめたいんだ」と語ったピケット。

「我々は今も、他のなによりもル・マンに挑戦したいと思っているし、そのチャンスが近いうちに訪れることを願っている。ただ今年は、マッスルミルク・ピケット・レーシングにとっては適当な時期ではなかったということだ」

 マッスルミルク・ピケット・レーシングは、昨年までHPD ARX-03cでALMSのLMP1クラスを戦っていたものの、LMP2とDPで争われるPクラスが最高峰となるUSCCの誕生に伴って、オレカ03・ニッサンを投入する形でLMP2にスイッチ。また先日、ニッサン/ニスモの公式パートナープログラムに加入したことも発表されている。

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