メルセデスAMGペトロナス・フォーミュラワンチームは、28日、F1合同テストがスタートする直前に、2014年型マシンF1 W05をヘレスで披露した。ロス・ブラウンに代わる形で技術面のボスを務めるパディ・ロウは、このマシンは「エレガントでありながらアグレッシブ」なデザインであり、非常に優れた性能を持つマシンであると自信を見せた。
メルセデス・ベンツのブラックリーとブリックスワースのチームが連携し、メルセデス・ベンツがモータースポーツにおける120周年、シルバーアローとして80周年を迎える、節目の年に走らせるW05の開発に携わってきた。
レギュレーションに大きな変化が導入される2014年に向けて、メルセデスは2010年終盤から技術上の話し合いを開始したという。
エグゼクティブディレクター(ビジネス)およびヘッド・オブ・メルセデス・ベンツ・モータースポーツのトト・ウォルフは、昨年コンストラクターズ選手権で2位を獲得した勢いを維持し、さらなる成功を収めることを目指すと述べた。
「新車を初めて発表する瞬間は常にエキサイティングだが、2014年は重要なシーズンであるだけになおさらだ」
「この新しいシルバーアローは、エンジニアリングチームがひとつの目的にひたむきに向かい、団結して作業にあたった結果、生まれたマシンである」
「数年にわたる集中的な努力の賜物であるが、アドベンチャーはまだ始まったばかりであることは承知している。これから忙しい冬のテスト期間と長いシーズンを迎える。パフォーマンスと信頼性が非常に重要になるだろう」
「新しいシーズンを前に、ルイス(・ハミルトン)とニコ(・ロズベルグ)は成功を強く求めている。冬の間の彼らのたゆまぬハードワークは我々チームにとってプラスに働くはずだ」
「昨シーズンはランキング2位を獲得し、我々は勢いに乗っている。目標はチームの力を今後も確立し続けることであり、2014年はすべてのレースウイークエンドでいい結果を出すことを目指す」
マシンのすべてのパーツが見直され、新たにデザインされ、最低重量である691kgに近づけることを目指したとチームは言う。
新たなパワーユニットはW05シャシーに最適な形に組み込まれるようデザインされ、新車は新パワーユニットによる冷却面の高い要求などを考慮し、システムを最適な形で搭載し、空力チームに最大限の自由を提供することを目指して、アグレッシブな開発フィロソフィーによって作り出された。
また、100kgの燃料を有用なメカニカルエネルギーに変えるベストのソリューションが研究されたということだ。
エグゼクティブディレクター(テクニカル)のパディ・ロウは、ここまでの自分たちの仕事に誇りを持っているが、これからの作業が重要であると語った。
「2014年にはF1の歴史の中で最大のレギュレーション変更が導入されるといっていいだろう。このスポーツは新しい時代を迎えるのだ」
「技術的にもレースの面においても、F1にとって非常にエキサイティングな時代だ。我々は、レースの世界だけでなく広く自動車の世界にとっても新しいテクノロジーを導入するのだ」
「話題を集めているのは、効率性の向上である。進歩したハイブリッドシステムによってわずか100kgの燃料でレースを走り切ることは、F1マシンの優れたテクノロジーを証明することになる。さらにメルセデス・ベンツはシャシーと同時に新しいパワーユニットも開発する技術を持っている」
「我々は節目の時を迎え、目標を達成した。しかしコース上で走り始めてみなければ、自分たちがどれだけ優れた仕事を成し遂げたかを理解することはできない」
「我々の新車のデザインはエレガントでありながらアグレッシブだ。そして、よくあることであるが、その美点は目に見えない奥底に潜んでいる。マシン内部のエンジニアリングは非常に革新的でありインテリジェントである」
「我々チームはここまでの仕事を誇りに思っていい。しかし6週間後の開幕戦までにやるべき仕事を過小評価する人間はひとりもいない」