今季スーパーGTにARTAから、スーパーフォーミュラにHP REAL RACINGから参戦することになった元F1ドライバー、ビタントニオ・リウッツィ。長年F1で戦った経験をもつリウッツィが、日本での戦いへの期待を語っている。
レーシングカート時代からその名を馳せ、フォーミュラ・ルノーやF3を経て、レッドブルのサポートの下2004年に国際F3000のチャンピオンを獲得。05年にレッドブルからF1デビューを果たしたリウッツィ。
その後表彰台獲得こそならなかったものの、そのスピードには定評がありトロロッソ、フォース・インディア、HRTとF1に参戦を続けてきた。その後イタリアのスーパースターズ・シリーズ、WEC世界耐久選手権に参戦してきたが、新たな戦いの舞台に挑んだのは日本だ。
「F1を何年も経験して、その後WECにも参戦したけど、何か足りないと思っていたんだ。僕は日本のスタイルがすごく好きで、SGTもSFも好きで、カートの頃から日本にもよく来ていて日本が好きだったんだ」とリウッツィは語る。
リウッツィはスーパーフォーミュラSF14はまだドライブしていないが、岡山で昨年までスーパーGTで使用されていたホンダHSV-010 GTをテストしている。
「レーシングカーとしても素晴らしいし、F1に近い競争、技術の高さがあって、みんなが情熱をもってレースをしている。初めて乗った時には『ワォ!』という感じだったよ」とリウッツィは感想を語る。
「スーパーGTでは(松浦)孝亮と一緒に戦えることになって嬉しい。こうしてGT500で戦えることになって嬉しく思っている。もちろん困難なシーズンになると思うけど、NSXのパフォーマンスを最大限発揮したいと思う」
また、スーパーフォーミュラについても「大きなチャレンジになると思う。このシーズンを楽しみにしている。SF14は本当に素晴らしいし、楽しみだ。すべてのドライバーのレベルがとても高く、厳しいレースになるとは思うけど頑張りたい」と意気込みを述べている。
そんなリウッツィの参戦については、ホンダ陣営の日本人ドライバーは“歓迎”の意向をみせる。ホンダ勢としての戦力としてももちろんだが、倒すべき“世界基準”としての存在だ。「F1の経験をもつドライバーがチームメイトになったので、いいシーズンを送れれば」というのはSFでチームメイトとなる塚越広大のコメント。
今季はスーパーフォーミュラで言えば、リウッツィにナレイン・カーティケヤン、ジェームス・ロシターといったF1/F1テスト経験組、そしてアンドレ・ロッテラー、ロイック・デュバルというWEC王者経験者が揃う。このメンバーを倒すことができれば、日本人ドライバーにも“その先”が開けるはずだ。