フランス西部自動車クラブ(ACO)は、2016年にもル・マン24時間耐久レースのエントリー数を60台へと増加させる計画なのだと明かした。
ル・マン24時間では現在、従来のエントリー数だった55台に加えて、新技術を志向したマシンのための特別枠“ガレージ#56”を加えた56台がエントリー可能。ただ、今年はガレージ#56への参戦はなく、従来の4クラスでの合計56台がエントリーリストに名を連ねている。
そんな中ACOは、エントリー数を60台まで拡大する方針を2月に明らかに。パルクフェルメの移転などを伴うことから時期は未定としていたが、今回、2016年にはエントリー数の拡大が可能となる見込みだと明かされた。
ACO会長を務めるピエール・フィヨンによると、4つの新たなピットをまとめて建設するため、60台エントリーの実現は来年からになったのだという。
「ピットレーンの終わりにより多くのピットを作るために、パドックを再編成しなくてはならないんだ。特に、そこにはパルクフェルメがあるからね」とフィヨン。
「だから、今年に向けて1〜2個のピットを増やすのではなくて、来年に向けて4つの新たなピットを建設するのを待たなくてはならなかったんだ。2016年に60台のクルマが参戦するのは99.9%確実だということができるよ」
なお、当初の計画ではピットエリアの拡張の可能性も示唆されていたが、今回の計画では拡張は必要がないとのこと。フィヨンは、4つの新たなピットを含んだ多層構造のガレージを導入することも検討していたのだと明かしたが、最終的にはACOのウェルカムセンターからの眺めを妨げないことが重要視され、現在の計画となったのだということだ。
ちなみにル・マン24時間では、1955年の大惨事(※クラッシュしたメルセデスベンツ300SLRのエンジンや車体が観客席に降り注ぎ80名以上が死亡)以降、56年からは参戦台数をそれまでの60台から55台に減少させた。事故以前、実際に60台まで達したのは、50年、51年、53年、そして55年の4度のみだ。