9日、フランス、ル・マンのサルテ・サーキットで伝統の第78回ル・マン24時間が開幕。練習走行1回目は、昨年の勝者プジョー908HDI FAPがトップ4を独占しスタート。ペドロ・ラミー/ステファン・サラザン/ニコラス・ミナシアン組の2号車がトップとなった。

 6月9日(水)、いよいよ第78回ル・マン24時間レースの走行が始まった。この日、最初の走行は午後4時からスタート。テストデーが無くなった影響でこのセッションは昨年から延長されたが、今年も午後8時までの4時間。前週からこの日は雨の予報も出されていたが、何とか天気はもちセッションが開始された時の天候は曇り。途中、晴れ間が覗いた瞬間もあったが、ほとんどの時間帯は分厚い雲が空を覆っているという状況だった。しかも、この日は湿度が高く蒸し暑いコンディション。セッション開始時の気温は21℃、路面温度は24℃だったが、体感温度はそれ以上に高かった。

 セッションが開始されると、多くのマシンがコースイン。まずは1周のチェック走行を行いピットに入る。そこから、各マシンともにセットアップを煮詰めて行った。LMP1でセッション序盤から速さをみせたのは、昨年のル・マンを制しているプジョー勢。それにアウディが続く形となる。アウディ勢は時折ピットに入ってはセットアップを変更。しかし、なかなかプジョーとのタイム差を詰めていくことができない展開となる。

 一方、LMP2クラスでは、予想通り序盤からハイクロフト・レーシングとストラッカ・レーシングの2台のHPD ARX.01が速さを見せる。また、LM-GT1クラスでは序盤からトラブルが多発。JLOCのランボルギーニ・ムルシェラゴは、トップバッターの余郷敦から2番手の井入宏之に代わったが、そこからしばらくしてピットイン。マシンがガレージに入れられた。これはドライブシャフトのブーツが緩んで、中のグリスが出てきてしまったため。ちょうどその修復作業が行なわれている最中の午後5時32分に、セッションは赤旗によって中断される。これは、ロメイン・グロージャンがドライブしていたGT1クラスのマテック・フォードGTの60号車がポルシェコーナーでスピンアウト、リヤからタイヤバリアに突っ込んで大破したのが原因だ。幸いドライバーに大きなケガはなかったが、このマシンの回収に時間が掛かり、セッションは30分近くに渡ってストップされた。

 セッションが開始されたのは、午後6時ちょうど。この段階では、気温が24℃、路面温度が28℃と、さらに蒸し暑い状況となっていた。しかし、再開からしばらくすると、各クラス多くのチームが自己ベストタイムを更新していく。

 LMP1クラスでは、再開から1時間というところで、一時ロイック・デュバルがドライブするオレカのプジョー908が3分21秒514というタイムをマークしてトップに立った。しかし、その15分後、デュバルのタイムを上回ってきたのは、フランク・モンタニーがドライブするワークス・プジョーの2号車。モンタニーは、3分21秒658、3分20秒034と連続してベストタイムを更新。セッション終了までこれを上回るマシンはなかった。さらにセッション終盤、3号車のセバスチャン・ブルデーが自己ベストを更新。デュバルのタイムを上回ってきた。これに続いたのは、オレカ・プジョー4号車、ワークス・プジョーの1号車。

 アウディ勢は、7号車がマークした3分22秒935がベスト。これにアンドレ・ロッテラーが3分24秒099というタイムを出した8号車が続く。ちなみに、8号車にはトップバッターとして、マネセル・ファスラーが搭乗。ロッテラーがそれを引き継いでおり、ブノワ・トレルイエはまだドライブしていない。そして、この8号車に、アウディ9号車、アストン・マーチンの009号車、007号車が続いた。

 LMP2クラスでは、ハイクロフト・レーシングがトップ。これにストラッカ・レーシング、RMLのローラB08/80-HPDと続く。野田英樹が所属しているKSMはクラス9番手。GT1クラスでは、ヤングドライバーAMRのアストンマーチンがトップ。ドライブシャフトの問題を解決した後、走り出したJLOCのランボルギーニ・ムルシェラゴは、セッション再開から間もなく右リヤタイヤのパンクでピットインを余儀なくさせられるなど、なかなかタイムが伸ばせずクラス最下位に留まった。

 GT2クラスでは、コルベットの64号車、63号車の間に、チーム・フェルバーマイヤーのポルシェ77号車が食い込み、さらにリシ・コンペティツォーネの82号車、チーム・ファーンバッハー、AFコルセの85号車とフェラーリF430と続く。しかし、タイム差は大きくなく、やはり大激戦を予想させる結果となった。

 今日2回目の走行が開始されるのは、2時間のインターバルを経た午後10時から。このセッションからは、いよいよ予選となる。

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