スーパーGT、フォーミュラ・ニッポンで活躍するレーシングドライバー、石浦宏明。自他共に認める“レースマニア”、“レーシングカーマニア”という石浦だが、先日GAZOO Racingの応援のためにニュルブルクリンク24時間を訪問。気になるニュル出場マシンを評価してもらった。第3回目の今回は、トム・コロネル、菊地靖らが乗り込んだラマティンク・レーシングのポルシェ、そしてミハエル・クルムがドライブしたフェアレディ370Zだ。
●第1回BMW M3/アウディR8編はこちらへ
●第2回マンタイ・ポルシェ/インプレッサ編はこちらへ
●その5 ラマティンク・レーシングのトーヨー・ポルシェ編
さて、石浦さんがやってきたのはトム・コロネルや菊地靖がドライブ、トーヨータイヤがサポートする日本にも縁の多いラマティンク・レーシングのポルシェ。どうですか石浦さん?
「オリジナルでパドルを作ってきたっていうのがカッコいいですよね。そこにこだわって、エアでシーケンシャルのレバーを動かすっていう、そのアップデートをしてきているっていうのがいいですね」
ほほう。こんな評価ですが、コクピットにいる菊地センシュ、どうですか?
菊地靖「その辺のポルシェとは一味違うぜ! っていうね(笑)。見た目は普通のカップカーだけど、いかにドライバーにとって24時間優しいか。こっちの方がラクだし」
やはり長丁場で過酷なニュルだけに重要ですね〜。石浦さん的には別の“メリット”もあるようで。
「それに、単純にパドルがカッコいい(笑)。僕、最初にフォーミュラ・ニッポンにパドルシフトが導入された時、ファクトリーでひたすらカチャカチャやっていましたからね。『プレイステーションみたい~』とか思いながら(笑)」
やはりちょっとミーハーなんでしょうか……でも菊地センシュもこれには同意。
菊地靖「そこに酔いしれるの、大事大事(笑)。コレ、パドルの調子がたまに悪くなるから、そうしたらマニュアルに切り替えて、どっちでも使えるようになってるの。でも、パドルにしていると、勝手に回転も合わせてくれるから」
この機能には石浦さんも関心のご様子。
「へぇ~! ブリッピングもしてくれるんですか。楽チンですね。他のポルシェにはあんまりついていませんね。こんなに見た目がノーマルっぽいのに、中はすごいことになっているんですね~」
すっかりパドルに夢中の石浦さん。最近は市販車でも付いているの多いですからね。皆さんもパドルに酔いしれてみてはいかがですか? その際にはぜひパドルをカチャカチャやってる石浦さんの姿を思い出して下さい。
●その6 64号車ニッサン・フェアレディ370Zについて
続いて石浦さんが訪れたのは、ミハエル・クルムもドライブした黒いニッサン・フェアレディ370Z。日本では超ライバルメーカーのクルマですが……ガッツリガレージ内に入って評価して頂きました。で、どうですか石浦さん?
「僕、オリジナルのデザインも新型のZの方が好きなんですよね。ちょっといかつくなったじゃないですか」
ほほう。どの辺がお気に入りで?
「フロントフェンダーが、今のレクサスに形がそっくり!」
そこですか? でもちゃんと理由があるんですね。
「今のGT500マシンで流行りの、HSV-010とかSC430に似ている感じがいいですね。しかもあれ、多分外せるようになっていると思うんですけど、すごく新しい形で『これ、風洞かけたんじゃないか』っていうぐらいの出来栄えですね。マイケルさん(クルム)から情報が行ったんでしょうか? ちょっと本気でエアロを考えているっぽいですよね」
それはちょっと深読みな気もしますが、レーシングドライバーらしい空力の着眼点はさすがです。
「うしろのオーバーフェンダーも結構くびれていますね。やっぱりポルシェに影響を受けているんでしょうか? だんだん高級感も出てきたと思います。新型Zの方が高級感がある気がして。僕、ライバルメーカーのドライバーですけど、個人的な趣味としては乗りたいクルマのひとつです」
やはりくびれ好きとしてはうしろが気になるようですね。かなりの高評価をいただきました!
●おまけ ポルシェのホスピタリティーを訪問
石浦さんとポルシェ・モータースポーツのホスピタリティにやってきました。ホワイトに統一された室内で、ドリンクサーバーにはポルシェのエンブレムが入るこだわりよう。どうですか石浦さん?
「完全に、僕が入っちゃいけないんじゃないかっていうくらいの別世界で、すごいですね〜! やっぱり、すべてのデザインがカッコいい!」
いやいや、入っても大丈夫です!
「さすがポルシェ・デザインというブランドがあるくらいで、椅子とかも全部がカッコいいですもん。飲み物の並べ方も、整理整頓されちゃっていて。レーシングカーと一緒で、キレイなチームはやっぱり強いっていう感じがしますよね」
そのご指摘はそのとおりだと思います。トランスポーターも実に機能的ですもんね。ところで、ポルシェといえば今回のニュルでは優勝争いをしたポルシェ997 GT3Rハイブリッドが思い出されます。今回、石浦さんと訪問したときはちょうど車検に出ていて会えなかったのですが……
「ハイブリッドもちょっと興味ありますね。KERSと同じシステムみたいですけど、ハイブリッドといえばトヨタですから、負けていられません。トヨタがやるとしたら、エクストラパワーじゃなく、常に使えるもっとハイブリッドみたいなタイプをいずれ作ってくれるんじゃないでしょうか?」
ぜひその時は石浦“センシュ”として挑戦して欲しいですね!
さて、おかげさまでご好評いただいているこのシリーズもあと1回。明日22日、石浦センシュはもてぎでフォーミュラ・ニッポンで予選に臨みます。このコーナーとともにぜひ熱い声援を! 最終回はアストンマーチン・ラピード、参戦車両ではないですが、展示されていたGRMNスポーツ・ハイブリッド・コンセプト、そして本来の“応援対象”レクサスLFAを石浦さんに語ってもらいます!