全日本F3選手権は19日、富士スピードウェイを舞台に第13戦決勝レースが行われ、山下健太(PETRONAS TOM'S F314)が今季5勝目をマーク。F3-Nでは前日に続き小河諒(KeePer TOM'S F306)が優勝し残り4戦を残してシリーズチャンピオンを獲得した。
土曜日まで降り続いた雨も上がり、決勝日は曇り空ながらも晴れ間がのぞく天気となった富士スピードウェイ。前日の予選とは全く違うドライコンディションの下、迎えた決勝ではニック・キャシディ(PETRONAS TOM'S F314)がスタートを決めて1コーナーをトップで通過すると、予選5番手の福住仁嶺(HFDP RACING F312)も3番手に浮上。レース序盤はトップのキャシディが高星明誠(B-MAX NDDP F3)、福住を従える三つ巴のトップ争いとなった。そこに4番手の山下が徐々に迫ると、5周目に1コーナーのイン側から福住をかわして3番手にポジションアップ。その間にキャシディと高星は後続との差を広げ2台でのマッチレースとなった。
一時はトップ2台の差は広がるものの、12周目には再び急接近すると、高星は1コーナーで仕掛けて、コカコーラコーナーでキャシディをかわしてトップに浮上。抜かれたキャシディも高星の背後にぴったり尽き、100R~ヘアピンはそのまま2台がサイド・バイ・サイドの接近戦を繰り広げると、ダンロップコーナーの進入でアウトから抜きに掛かったキャシディとインを抑えようとしてそこからアウトにマシンを振った高星が接触。左リヤを激しく接触した高星がスピンを喫しコースオフ。キャシディは右フロントを接触したが、コース上で周回を続けた。高星は6番手でコースに復帰したが、ダメージが大きかったのか14周目にはピットに戻ってマシンを降りてしまった。
その後はペトロナス2台のトップ争いとなり、13周目の1コーナーで山下がキャシディをかわしてトップに浮上。山下はそのまま逃げ切り、前回の富士戦以来の今シーズン5勝目を獲得。キャシディが2位を獲得してペトロナスのワン・ツーとなった。
また、今大会にスポット参戦の千代勝正(B-MAX RACING F312)は終盤に福住との表彰台をかけたバトルを展開するものの一歩及ばず4位でレースを終えた。
F3-Nでは、ここまで9勝を挙げている小河にとって、2位の三浦愛(EXEDY RACING F307)とのポイント差を4ポイント以上広げればでシリーズチャンピオンが決まる大事なレース。その決勝では落ち着いたスタートを決めた小河がトップで三浦、DRAGON(B-MAX RACING F308)を従え、まずはレースを支配する。
その後も小河は、周回ごとに後続との差を広げるペースで走行を続けていたが、中盤以降はペースをコントロールしながらチェッカーを目指す。2番手の三浦もなんとか小河に食らいつこうと19周目に自己ベストをマークするも、最後まで小河の背後に迫ることは出来ずに2位でチェッカーとなった。
結局、小河は最後までトップを脅かされることなく優勝。完璧なレース運びで今シーズン10勝目をマークした小河は、残り4戦を残して早くもシリーズチャンピオン獲得となり、表彰台でもすがすがしい笑顔がを見せた。