2015年、スーパーGT500フル参戦初年度で2勝を挙げる活躍をみせた平川亮。今シーズンの去就については様々な憶測が飛び交い、海外カテゴリーへの挑戦もウワサされているが、本人は16年に向けてどのような展望をもっているのか。

 平川の動きが注目される理由のひとつに、年明け早々にヨーロッパに渡っていたことがある。目的はWEC(世界耐久選手権)参戦に向けた動きではないかとも見られていたが、その一方でELMS(ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ)に挑戦するのではないかという話も聞こえてくる。

 平川といえば、F3時代から「将来はF1」と大きく目標に掲げていたほか、数年前にはインディカーのテストにも参加するなど、シングルシーター(フォーミュラカー)をメインとしたステップアップを考えているように思われた。しかし、実績としてはツーリングカーレースでの活躍も目覚ましく、前述の通り昨年はGT500フル参戦初年で2勝を挙げる活躍を見せている。

 気になる今季の動きについて、実際に平川本人に聞いてみたが、「あるクルマに乗ってテストはしましたが、どこでどんなクルマに乗っていたかは、現段階では言えません」と、やはり2月4日に行われるトヨタのモータースポーツ体制発表まで口を開ける状況ではない様子。とは言え、少なからず“世界”に対しての興味はあるようで、“将来的な目標”としてWEC参戦の選択肢は否定しなかった。

「世界に行くと、速いドライバーはたくさんいます。日本ももちろんレベルは高いですが、世界を見ることによって自分の考え方とかドライビングも変わってくると思っていますし、やっぱり世界にチャレンジしたいですね」と平川。

「もともと僕がトヨタに所属したのも、当時トヨタがF1をやっていたのがきっかけでした。今は残念ながらF1はやっていませんが、一番上のカテゴリーとしてWECに参戦しています。もちろん世界選手権なのでWECでチャンピオンをとれば世界一ですし、世界中のトップドライバーが集まっていますから十分にやりがいはあると信じています。まだまだF1が一番メジャーですが、現実的にF1よりもWECの方が選択肢として参戦の可能性は大きいかなと考えていて、そこを目標に頑張っています」

「今のF1はいろいろな要素が関わってくるし、ただ速ければ乗れるものでもなくなっています。また、レース自体にはあまり魅力も感じなくなってきています。そう考えるとWECもたくさんのメーカーが参戦していてレベルも高いですし、参戦しているドライバーも一流の人ばかりなので挑戦してみたいなという気持ちが強くなっていますね」

 まだ明かせない今季の去就ではあるが、どのカテゴリーに参戦するのであれ、“安定した強さ”が必要だと語った。

「昨年、特にGTでは全体を通して良し悪しの波があったので、今年もドライブすることができれば1年を通して安定した結果を出していけるようにしたいなと思います。GTでは特にそれが大事で、最初と最後に勝っただけではダメだと思っています。スーパーフォーミュラでは昨年(小林)可夢偉選手と一緒にやれたことで吸収できたこともたくさんあるので、今年はそれを生かしたいです。まだ何に乗るかは話せませんが、出るカテゴリー全てでチャンピオンを目指していきたいです」

 WECもしくはELMSの海外シリーズと国内カテゴリーに参戦するのではないかと見られている平川だが、どのような形で今季を戦うことになっても、“世界への挑戦”のために非常に重要なシーズンになることは間違いなさそうだ。

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