ザウバーの小林可夢偉が4日間におよぶバルセロナ合同テストを見事トップタイムで締めくくった。
4日間を通して最も路面温度の上がったこの日、ザウバーの可夢偉はそれまでの全体ベストを上回る1分22秒312をマークし、総合トップで2日間の走行を終えた。テスト最終日をミディアムタイヤでスタートした可夢偉は昼の休憩を前にソフトタイヤで予選ランを行い、狙い通りベストタイムを記録。午後はロングランを実施するとともに今テストで初めてとなるスーパーソフトも経験。再びエキゾーストのトラブルに見舞われたものの、トータル144周を走って充実の一日を終えている。
可夢偉とともに生産的な2日間を過ごしたパストール・マルドナドが2番手。3日目にそれまでのベストタイムを記録しているマルドナドは、最終日もパーソナルベストからコンマ2秒落ちのタイムをマーク。134周は可夢偉、ニコ・ロズベルグに次ぐ周回数で、そのなかにはレースシミュレーションも含まれている。
3番手にはフォース・インディアのポール・ディ・レスタが入った。彼は朝のセッションでグラベルに飛び出し、最終日に出された3つの赤旗のうちのひとつを演じたが、その後はすぐにコースへ戻り午後にはロングランを行っている。トップ3のうち、ベストタイム時のタイヤは可夢偉が新品のソフト、マルドナドとディ・レスタは新品のスーパーソフトだった。
4番手につけたマクラーレンのジェンソン・バトンは、前半2日間のルイス・ハミルトンと合わせ、今回のバルセロナで最も多い463周を走破。ただ最終日のバトンは、セッション終了の15分前にガス欠で赤旗の原因に。ちなみに、可夢偉も同じ原因で赤旗を出している。
マシンのセットアップ評価とタイヤの比較作業に取り組んだフェラーリのフェリペ・マッサが5番手。前日のギヤボックストラブルから一転、最終日をノートラブルで走り切ったレッドブルのマーク・ウエーバーが6番手で続いた。この2チームは、オフシーズン最後となる次回のバルセロナテストの日程を変更しており、3月2日から5日までのスケジュールで最後の仕上げを行う予定だ。
メルセデスのロズベルグは、7番手のジャンーエリック・ベルニュからコンマ1秒遅れの8番手につけた。午前中の彼はピットストップ練習に20周弱を費やすとともに、ハードタイヤでレースシミュレーションを実施。午後からは10周程度のショートランを繰り返し、この日2番目に多い139周を消化。新車W03はデビュー以来の距離が2400kmを超えた。
午前中に電気系のトラブルからエンジン交換を余儀なくされたケータハムは、ヘイキ・コバライネンが午後のセッションで挽回し、ロングランなどを含め70周を走り切った。マルシャは、サスペンショントラブルでこの日乗る予定だったシャルル・ピックが1周も走れなかった。