2013 SUPER GT 第8戦「MOTEGI GT 250km RACE」(11/2-3)
ツインリンクもてぎ(1周4.801km)
入場者数:土曜日14,500名、決勝30,000名 合計44,500名

 11月3日(日)シリーズクライマックスとなる第8戦(最終戦)「MOTEGI GT 250km RACE」の決勝が行われ、5番グリッドからスタートした脇阪が駆るDENSO KOBELCO SC430は、上位集団の混戦の中で粘りの走行。序盤ペースが上がらず苦戦を強いられ8位に。
 その後19周を終えピットイン。同時インと次周に入った上位車両を見事にパスするチームワークを見せ、順位を3つもどす5位に復帰。激しい攻防の末に32周目に3位に浮上。前回怒濤の追い上げで速さを見せた石浦が、今回も前とのギャップをどんどんと削る速さを見せ、2位争いの集団に加わった。
 だが途中から復調した17号車にパスを許し4位に。その後SC430同士の緊迫した超接近戦の3位争いとなったが、そのままの順位となる健闘の4位フィニッシュとなった。

 シーズンの締めくくりで粘り強くも速さをアピールしたDENSO KOBELCO SC430は、ドライバーポイントでは8点を獲得(合計49点)、チームポイントでは11点を獲得(計70点)し、何れもシリーズランキング7位でシリーズ戦を終えた。次のJAFグランプリは、変則的な競技形式でフォーミュラニッポンと同時開催。11月23日(土)公式予選/第1レース決勝(脇阪)、24日(日)第2レース決勝(石浦)の日程で富士スピードウェイで開催される。

 第7戦では怒濤の追い上げで7位フィニッシュを果たし貴重なポイントを獲得。辛うじて首位と最大ポイント圏内に滑り込み、タイトルの可能性を土俵際で踏みとどまったDENSO KOBELCO SC430。最終戦での優勝が必須条件で首位38号車が9位以下、2位36号車が5位以下、3位18号車、17号車が4位以下、1号車と12号車が3位以下、37号車が2位以下とチャンピオン獲得条件は非常に厳しいものの、僅かに可能性が残っている。

 今季を締めくくるウェイト無しの真っ向勝負となる第8戦(シリーズ最終戦)の舞台は、栃木県の山間部・茂木町にあるツインリンクもてぎ。予選方式はノックアウト方式(Q1・Q2)、決勝は約250km(53周)と短く、ピットストップは1回。ツインリンクもてぎは直線とコーナーを交互に組み合わせたストップアンドゴーのサーキット。昨年4位フィニッシュを果たしシリーズランキング3位を確定するなど、近年好成績を残しており、9月に行われたGTA公式テストではトップタイムをマークしている。チームは最終戦での逆転タイトル獲得を目指して、一意専心に最後まで諦めずに優勝のみを狙っていった。

 2日(土)午前中の公式練習走行は、気温18度/路面温度22度の曇り。9時から混走セッションが開始され、最初のダストが捌けた10分過ぎから石浦がコースイン。微調整しながらクルマを仕上げていって16周目、2セット目のタイヤで1分42秒194の2番手タイムをマーク。クルマは上々の仕上がりとのことで18周目からは脇阪が乗車。クルマのバランスを見ながら車高などを更に調整。ユーズドタイヤでセクター3自己ベストを出しながら1分43秒337のタイムをマークした。

 その後の10分間のGT500単独セッションでは、脇阪がQ1アタックシミュレーションを行い、4周目に1分42秒631の3番計時。公式練習走行では34周を走行。石浦がマークした1分42秒194の3番手タイムでQ1への準備を終えた。

■Q1:脇阪が渾身のアタックで4位通過
 2日(土)公式予選Q1は、どんよりとした曇り空となり、気温18度/路面温度22度と午前中の公式練習走行の始まりと同程度となった。公式練習走行で良い手応えを感じていた脇阪は思いっきり攻められると自信を持ってクルマに乗り込んだ。残り7分30秒たった頃に、ほぼ全車が一斉にコースインとなり、脇阪も満を持してアタックに。

 中々温まりにくいコンディションながらも、じっくりと熱をタイヤに入れる脇阪。アタックラップの1コーナーでテールが出るも押さえきり、セクターベストを更新しながら思う存分のアタックを続けていった。その3周目は1分42秒062のトップタイムを叩き出す。脇阪は続く4周目もアタックを敢行し、セクター1、2とタイムを更に削っていく渾身の走り。だがセクター3、4と惜しくも更新ならず。3周目の1分42秒062のタイムで、非常に僅差となったタイム差の中で見事に4位通過を果たした。

■Q2:石浦が3列目5番グリッドを獲得
 15時5分に始まったQ2。気温17度/路面温度21度と若干下がり始め、石浦も残り7分40秒ほどでコースイン。脇阪からクルマとタイヤのインフォメーションを綿密に聞いて、ポールを狙ってコースインした石浦。コンディションの影響かテールが出やすい状況の中で、じっくりと丁寧にウォームアップ。2周目を1分44秒台と速いタイムでウォームアップし、アタックラップに入っていった。

 セクター1でまずは全体ベスト、続くセクター2でも全体トップで駆け抜け、大きな期待がかかる。セクター3でのトップを譲ったものの、1分41秒598の2番手と好タイムを計時。続く4周目セクター1で更にタイムを削ったがタイムアップもそこまで。Q2も非常に僅差となり、3周目に出した1分41秒598で惜しくも3列目5番グリッドを獲得した。

■フリー走行
 3日(日)決勝日のフリー走行開始時は、朝から靄がでて気温15度/路面温度19度のドライ。まずは今回もスタートドライバーを努める脇阪がステアリングを握り、出だし2番手タイムをマークするなど好調さを見せ、44秒台と好ペース。10周目から石浦からドライブし少しタイヤかすが付いたもののまずまずのペース。続いてサーキットサファリでも石浦がドライブし、順調な仕上がりを見せた。公式練習走行とサファリで28周を走行、脇阪がマークした1分43秒886で2番手タイムとなった。

■決勝スタート
第1スティント:脇阪が苦戦するも粘りの走行
 3日(日)いつもより30分早い13時30分決勝スタート時点は気温21度/路面温度25度と爽やかに晴れ渡った。5番グリッドからスタートした脇阪が駆るDENSO KOBELCO SC430は、序盤に上位の23号車に詰まってペースが上げられずトップ差が開いてしまう。自己のペースで走れず次第にタイヤかすが付いてしまったのか苦戦を強いられる展開。ブレーキバランスなど調整しながら我慢の走行をするも、次第にハンドリングが悪化しポジションダウン。

 しかし、2位からつながる上位集団の混戦の中で、脇阪は懸命に粘りの走行を続け集団に食らいついていった。そして、19周を走り終え8位でピットイン。ここでチームは素早いピット作業で石浦を送り出し、同時インの12号車をピットロードで僅かにかわし、順位を上げた。

第2スティント:石浦が追い上げ超接近戦の3位争い
 アウトラップから速さを見せた石浦は、次周にピットに入った23号車と36号車のアウトラップで見事に抜き去り、順位を3つもどす5位にすぐに復帰させた。トップ差は開いてしまったものの、トップよりも速いペースでどんどんとギャップを削る石浦の鮮やかな快進撃が始まった。30秒近くあるトップ差を毎周1秒単位で削り取る。表彰台圏内を走行する集団を視界に捉えると激しい攻防の末に32周目に17号車をかわして3位に浮上。

 トップ差25秒の2位38号車、3位39号車、4位17号車と激しい2位争いの集団を形成。だが競い合いの中でペースが落ちてタイヤかすが付いてしまい、途中から復調した17号車に35周目にパスを許し4位となってしまう。その後は3位38号車、4位39号車、5位36号車のSC430同士の緊迫した超接近戦の3位争いとなった。同士討ちだけは避けなければならず、無理な追い越しは出来ずに膠着した展開に。緊迫した争いは結局そのままゴールまで続いてしまい、健闘の4位フィニッシュとなった。

 ドライバーポイントでは8点を獲得(合計49点)、チームポイントでは11点を獲得(計70点)し、何れもシリーズランキング7位でシリーズ戦を終えた。次のJAFグランプリは、変則的な競技形式でフォーミュラニッポンと同時開催。11月23日(土)公式予選/第1レース決勝(脇阪)、24日(日)第2レース決勝(石浦)の日程で富士スピードウェイで開催される。

■脇阪寿一
「今回もスタートを担当。前半タイヤかすが付いてペースが上がらずブレーキバランスを調整して何とかペースを維持。自分のスティントでは予選で使用したタイヤがコンディションにちょっと合わなかった感じでした。ピットインで数台抜いて、そこから石浦が良い走りを見せてくれて表彰台も狙える展開でした。しかし、チームの結果よりもLEXUSがタイトルを獲った事は本当に嬉しく思います。我々LEXUSを応援いただいた皆様、ありがとうございました。そして、おめでとうございます。今年もたくさんの方々に応援いただき、2013年シリーズを戦わせて頂きました。今はただただ感謝です!」

■石浦宏明
「予選は上位にタイム差がなかったので決勝も僅差になると感じていました。決勝では周りよりも速いペースで行けたので表彰台を狙っていきました。一時3位を走って、途中ペースを押さえたらタイヤかすが付いて17号車に抜かれたのは非常に勿体なかったです。その後LEXUS勢の3位争いという状況で膠着状態になってしまい、そのまま4位フィニッシュ。持てる力を最後は十分に発揮できず、自分としては悔しい結果となってしまいましたが、来年こそはタイトルを獲れる自信を感じられるレースになりました。次のJAFグランプリは思いっきり攻めて表彰台を獲得したいです。引き続き応援のほどよろしくお願いいたします」

■大澤尚輔監督
「予選でまずまずの結果で表彰台を狙える勢いで臨んだ決勝。素早いピット作業のメカニックと2人のドライバーの頑張りで上位争いを展開することができました。シーズン序盤の勢いが戻ってきた感じで、シーズン中盤に苦しんだ分だけチームとして更に強くなったと感じられるレースになりました。最終ランキングは7位となりましたが、チームとしてはそれ以上の価値を得られた経験を積んだシーズンとなり、来季に期待ができる結果になりました。次のJAFグランプリでは必ずや表彰台を獲得できると思っておりますので、熱い声援をよろしくお願いいたします」

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