スーパーGT第6戦富士の予選日。『ももいろクローバーZ』がサーキットを賑わせていたころ、オートスポーツwebナビゲーターの“桃んが”こと桃原美奈さんとともに、新米編集部員サカイがスポーツカートを初体験。『レーシングドライバーのスゴさ』を実感してきたので、その初体験記をお届けしよう。
●レッドブル・ジャパンさんのカートイベントに参戦!
今回桃んがと、私サカイが挑戦したのは、静岡県御殿場市の『オートパラダイス御殿場(APG)』で行われたレッドブル・ジャパンさん主催のカートイベント。このレースにF1速報編集長タナカをはじめ、F1速報&AS-webチームとして5人で参加してきた。
ちなみに、メンバーは元F4ドライバーでもあるタナカ、もてぎK耐経験があるF速カモ、元レーシングオン編集部員であるAS-webガノ、そして桃んが&サカイ。桃んがはオートスポーツ50周年カート大会をはじめ、数回のカート経験アリ。「F1は好きです」程度の知識で、ペーパードライバー丸出しの“ゆとり世代代表”私サカイは完全に初心者だ。しかし、桃んがのラップタイムにはなんとか勝っておきたい……。
ひとり数周の練習走行を終え、クジ引きの予選では桃んがが17台中12番手というビミョーな予選ポジションをゲット。しかし、迎えた90分の耐久レースでは、F速タナカがアロンソを彷彿とさせる渾身のスタートダッシュ! 一気に2番手までポジションを上げ、AS-webガノにバトンタッチ。その後首位のマシンがドライバー交代へ向かったことで、F1速報&AS-webチームはなんと首位に浮上する。
……しかし、その後は悲劇のようなものだった。
●情けなさすぎる“初体験”
ガノはトップのまま走行を終え、迎えた第3ドライバーは桃んが。期待と不安に包まれながら、チームは桃んがを送り出す。「先々週もAPGに来てカートしてきたんですよ~(・∀・)」と余裕ぶっていた桃んがだが、やはり他のマシンが走行すると持ち前のビビリが炸裂。イタコでのAS50周年カート大会でも他走者を恐怖に陥れた“超スロー走行”が展開され、タナカやガノよりも30秒以上遅いラップタイムで周回。ふたりが築いたリードを完全に食いつぶし、ポジションを5~6番手にまで落としてしまった。
しかも、何を思ったか3周するとピットに戻ってくる。ピット側の応援の手振りを「危ないから戻ってこい」という意味に勘違いしたという前代未聞のヘタレっぷりを披露した桃んがは、結局コレで走行終了。その後、チームはなんとかポジションを取り戻し、4番手まで挽回。表彰台を争おうかというところで、ついに出番がきてしまった。
これまで、編集部内でF1中継を見ていた時も、クラッシュやスピンのシーンで軽口を叩いていた自分。しかし、レース前の練習走行の3周でかなりビビっていた。加速のスゴさ、今まで味わったことがない体感スピード、路面からダイレクトに伝わってくる振動。すでにちょっぴり腕が筋肉痛にもなっている。
しかし、腹をくくってコースイン……したはいいが、いきなり1周目からコースアウトしてしまった。動けない。スタッフの方が駆け寄ってきて、コースに戻してくれる。F1中継の同様のシーンを見て軽口を叩いていた自分の姿が脳裏によぎる。あぁ……情けない。
そんな気分でコースに戻ったはいいものの、数周後にはタナカに「全開でいけるよ」と言われていた1コーナーにまさに全開で飛び込み、あげくクラッシュ。タイヤバリアの餌食になってしまう。幸いマシンは動いたが、さらにその後ももう1回スピン。初レースとなる15分のスティントをやっとの思いで終えチェッカーを受けたが、バトンを託された際の4番手から、フィニッシュ時点で7位まで後退していた。
体は痛くなかったが、心が痛かった。
●もう“ミサイル”とか言えません……
「レーシングドライバーのすごさが分かったでしょ?」
周囲に言われ、「もうグ●ージャンの悪口は言えません……」と答えた自分。もちろんレーシングドライバーがとんでもなく高い技術を有しているのは頭では分かっていたつもりだが、昨年までイチF1ファンでしかなかった自分は、よくレースを見ながら“ミサイル”だとかなんとか、無責任なことを言っていたのだ。でも、そんなことはもう言えない。
満足に1ラップをまとめることすらままならず、雨でもないのにスピンやクラッシュを連発。自分が“ミサイル”だった(ちなみに、うまく抜かせられず後ろに走っていた方をスピンに追い込んだこともありました。本当スイマセンでした)。
でも、またカートをやりたい自分がいるのも事実。難しいけど、みんなで頑張って完走した時の嬉しさは、麻薬のようなものだ。ふだんは体感できないスピード感にも興奮したし、自分なりにうまくコーナリングできた時には達成感もあった。そして何より、もっともっと速くなりたかった。
わずか90分間のレースでこれだけのことを感じることができるとは正直思っていなかった。ご招待くださったレッドブル・ジャパンさんには本当に感謝だ。アマチュアカーターの世界一決定戦を決める『Red Bull Kart Fight』にもぜひ取材に行かなければ。そして、読者の皆さんもレンタルカートで構わないので、ぜひ一度カートをご体験あれ。自分と同様、レーシングドライバーの凄さが実感できるはずだ。
ちなみに、桃んがのラップタイムには無事勝利。しかし、長袖長ズボンで臨んだため、レーシングスーツとマイヘルメット姿の桃んががまぶしく感じられた。見た目は惨敗だ……。ヘルメット、欲しいなぁ。