幕張メッセで開催されている東京オートサロン2016で中嶋一貴×平川亮によるトークショーが行われ、開催場所のトムスのブースは多くのファンで賑わった。トークショーではトムス製RC Fの開発話などに触れつつ、今季渡欧がウワサされるストーブリーグの話題に話が及ぶと、一貴と平川が現状を語った。
昨年、エアロパーツやサスペンションなど、レクサスRC Fトムスの開発に関わった平川。トムスRC Fの特長を語り、足回りのセッティングや、サーキット走行でノーマル状態から6秒タイムを縮めたことなどを解説。その後は一貴が昨年のスーパーGT最終戦の平川の優勝に触れ、「あの混戦したトップ争いで前の4台を抜くセンスはすごい」と、平川のパフォーマンスの高さを讃えた。そして話題はこのオフの動向へ。
年が開けてふたり揃って5日間のグアム合宿でトレーニングを重ねたというふたり。まずはその合宿の裏話を一貴が話した。「(平川と)同じ飛行機で行って、同じ飛行機で帰ってきました。合宿所の部屋もふたりでシェアしていました」と、平川と5日間、完全に生活を共にしたという一貴。「寝て、食べて、トレーニングしかしていない。半日ゴルフをしたくらい。ふたりで話す元気もないくらいトレーニングばかりしていた」とかなりストイックな合宿を過ごしたようだ。
そのグアムでのトレーニング話を終えたあとには、やはりみんな気になる今季のゆくえについて、一貴は「今のこの時期はどこにも所属していない、ただのレーシングドライバーです。2月に入るといろいろとみなさんにお伝えできるようになるとは思います。WECの方は、まだ全然クルマに乗っていないので、昨年よりはきっといいクルマになっているとは思いますけど、3月に入ってテストしてからの僕のコメントを見て頂ければ様子がわかるはずです」とWECについて語った後、昨年スケジュールの都合で参戦できなかったスーパーGTの話に移ると「GTに出たいなあ。GT走らさせて下さ-い!」と、心の声(?)を遠くに向けてつぶやいた。また、「この時期が一番面白いですよね」と、一貴もオフの各選手の動向を気にしている様子。ドライバー同士でも、お互い探り合うようなシーンが自然と多くなるようだ。
平川にシーズンオフ、ストーブリーグの話が移ると「今、僕、結構ざわざわしていますよ」と、渦中の人物であることを認めつつ、「なんか、わからないですけど」と言葉を濁しながら、「周りの反応は分からないですけど、今、自分がすごく不安です」と、行き先の定まらない状況での素直な気持ちを述べた。
「いい意味で、レーシングドライバーはそういったオフの不安がないと前には進めない。不安があるから頑張れる」と、後輩の平川を励ました先輩一貴。平川はこのオフ、渡英しており、今季はヨーロッパでのレース参戦がウワサされている。その場合、国内はどのカテゴリーで、どのチームからの参戦になるのか。平川の動向がトヨタ陣営の鍵を握ってもいるため、2月4日のトヨタのモータースポーツ発表会でのランアップ発表で果たしてどうなるのかーー。