June 23 2013, RACE
Iowa Corn Indy 250
グレアム・レイホールが5位フィニッシュ
佐藤琢磨はトラブルでリタイア
2013年6月23日(日)・決勝
会場:アイオワ・スピードウェイ
天候:曇りときどき晴れ
気温:25~27℃
アメリカ大陸の中央に近いアイオワ州でインディカー・シリーズの第10戦アイオワ・コーン・インディ250が開催されました。州都デモイン近郊にある全長0.894マイルの小さなオーバルコースであるアイオワ・スピードウェイでのレースでは、250周にわたる高速バトルが繰り広げられました。
この時期のアイオワ州は、日中の気温が30℃以上になることが多いのですが、今年のレースウイークエンドは、予選日こそ暑かったものの、レース決勝日の朝方に強い雨が降り、気温は大幅に下がりました。正午前に幸いにも雨はやみましたが、上空に雲が残り続けたことにより、レースは涼しいとさえ感じられるコンディション下で開催されました。
アイオワ・スピードウェイはコーナー部のバンクの傾斜が14度と大きいため、ハイスピードを保ったままのコーナリングが可能です。高速を保ったままサイド・バイ・サイドで戦うインディカーのレースは非常にスリリングで、250周のレースは最後まで緊迫感に包まれ、集まったファンはインディカーならではのバトルを堪能していました。
Honda インディV6ターボで戦うドライバーたちの中からは、グレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)が6番グリッドからスタートし、5位でゴールしました。レース中盤には次々とライバル勢をパスし、レイホールは2番手まで浮上しました。今シーズン初優勝に向け、彼は攻めの走りを続けましたが、アグレッシブな走りで外側のラインを使い続けたため、レース終盤にハンドリングが変化したことが影響し、5位でのゴールとなりました。この結果、第3戦ロングビーチでの2位に次ぐ今季2度目のトップ5フィニッシュとなりました。
8番手からスタートした前年度のルーキー・オブ・ザ・イヤーのシモン・パジェノー(Schmidt Hamilton Motorsports)は、スタートから常にトップグループのポジションを保ち、6位でゴールしました。デトロイトでキャリア初優勝を飾ったパジェノーは、今季6度目のトップ10フィニッシュを達成しました。
佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)は予選では7番手でしたが、今週末に予定外のエンジン交換を行ったため、17番手からスタートを切りました。アイオワ・スピードウェイは佐藤が2011年にキャリア初のポールポジション獲得したコースです。佐藤は得意とするショートオーバルで、序盤から着々とポジションを上げていく戦いをみせ、54周目には11番手までポジションを上げて走っていました。しかし、114周目に2度目のピットストップを行った辺りからマシンのトップスピードが伸びなくなり、そのトラブルが拡大したために162周を終えたところでピットに入り、リタイアしました。
次戦は1週間の休みを挟んで、1980年代末までレースの行われていたポコノの2マイルオーバルでレースが開催されます。
コメント
グレアム・レイホール(5位)
「1回目のピットストップ以降はマシンがとてもよくなり、インからでもアウトからでもライバルたちをパスしていけました。優勝車に近いスピードを自分たちは持っていたと思います。今週末の私たちはマシンのセッティングで大変な苦労をしていましたので、レースで速さをみせ、上位でのフィニッシュを達成できたことを喜んでいます。しかし、もっと上のポジションでフィニッシュできたと、悔しさも感じています。表彰台に上りたかったです。レース終盤の私たちは少しペースが落ちていましたね。そして、最後はステアリングを切ってもマシンが曲がっていかない症状に悩まされていました。チームスタッフが本当に一生懸命に働いてくれ、レースでのマシンはとても競争力の高いものになっていました。シーズンの残り半分も、この調子を保ち、さらに力を伸ばしていきたいですね」
佐藤琢磨(23位)
「スタートから1回目のピットストップまでのマシンはとても調子がよく、ピット作業の速さによってもポジションを稼げました。私たちは徐々に上位へ進んでいくことができていました。いいリスタートを切ってさらにポジションを上げて、レースを楽しむことができていたほどでした。マシンは速く、エキサイティングなレースを戦えるものと期待が高まっていました。しかし、2度目のピットストップを終えた辺りからスピードが乗らなくなってきました。エンジンのマッピング変更、燃料のミクスチャー変更を何パターンもトライしましたが、スピードが乗っていかない症状は改善されませんでした。最後はマシンをリタイアさせるしかありませんでした。ゴールまで走りきれなかったことが残念でなりません」
ロジャー・グリフィス|HPDテクニカル・ディレクター
「グレアム・レイホールがすばらしいレースを戦いました。2番手までポジションを上げてトップにアタックをするところまでいったのですが、タイヤかすを拾ったことでレース終盤にスピードダウンを余儀なくされてしまいました。シモン・パジェノーも力強いレースを戦っていました。彼は本当にオーバルレースの走り方、戦い方を身につけてきています。佐藤琢磨もマシンを上位で戦えるだけのものに仕上げていたようでした。しかし、エンジンにトラブルが発生しました。まだ原因は判明していませんが、その調査は徹底的に行って解決していきます」