童夢は28日、2014年から実施されるル・マン24時間のレギュレーションに適合したLMP1/LMP2参戦用シャシー、『童夢S103』の開発に着手したと発表し、デザインイメージを公開した。
1979年にル・マン24時間に参戦を開始、グループCカー時代もスポーツカーシャシーを製作してきた童夢は、2001年にオープンプロトタイプカーであるS101をリリースし、FIAスポーツカー選手権のタイトルを獲得。その後S101はS101Hb、S101.5と進化し、さらに2008年にはクローズドボディのS102を開発。自チームでル・マンに参戦した。
美しいボディとスピードをもち、ヨーロッパでも強い印象を残したS102だったが、09年以降景気後退の影響もありル・マンへの出場はできず、2012年にひさびさにS102.5へとバージョンアップしてル・マンに挑んだが、トラブルもあり苦しい戦いに終わっていた。
そんな童夢では、12年8月に鮒子田寛新社長が就任。2月には「2014年規則に合致した新LMP1の風洞試験、設計作業を進行させている」と語っており、新LMP1/2カーの製作をスタートさせていることが明らかにされていた。
「車両コンセプト、空力性能、トータルバランスに優れワークスと伍して戦える性能を持つLMP1開発」というコンセプトのもとに製作されるS103は、公開されたイラスト、風洞モデルを見ると、一見S102.5と似た印象はあるが、フロントフェンダー前端から後端、サイド部分など、これまでのS102シリーズとは大きく異なる。また、リヤウイングは車幅いっぱいまで伸ばされているなど、14年規定のLMP車両のイメージをこのモデルからうかがい知ることができる。
童夢は今後、S103の開発工程を童夢ホームページ(http://www.dome.co.jp)、Facebookページ(http://www.facebook.com/pages/Dome-Racing-Team/162448577207190)で公開していくという。また、6月7日発売のオートスポーツNo.1358では、風洞モデルの写真、2014年レギュレーションの解説などを掲載する予定だ。