日本のトップレーシングカーコンストラクターである童夢は31日、創業者でありこれまで社長を務めてきた林みのる社長が退任し、後任として往年の名ドライバー、鮒子田寛新社長が就任すると明らかにした。
1975年に京都で設立された童夢は、日本の誇るレーシングカーコンストラクターとして、グループCカーレースや全日本F3000など、国内のトップカテゴリーで活躍。また、童夢-零RLをはじめとしたプロトタイプカーでル・マン24時間にも挑戦し、最新の童夢S102.5をはじめ世界的にも評価を得てきた。また、スーパーGT/JGTCには自チームとして参戦する一方、ホンダNSX/HSV-010のGTカー開発にも深く関与している。
一方で、国内最大規模の風洞施設である『風流舎』をもち、空力面でも日本のトップクラスの技術力を誇るほか、童夢カーボンマジックを設立、こちらも先進のカーボン技術を活かし、一般市販車業界や航空機業界にも食い込んできた。
そんな童夢を率いてきた林社長は、レーシングカーや工業デザイナーとして数多くの作品を生み出したほか、日本のモータースポーツ業界の発展にも多くの影響を及ぼしてきた。今回の突然の社長退任に対し、林社長は童夢ホームページ(http://www.dome.co.jp/)にその理由を綴っている。
一方、鮒子田新社長は林みのる氏と中学生時代の同級生と旧知の仲で、ホンダ契約ドライバーからトヨタのワークスドライバーへ。海外でもキャリアを積んだ後、引退してからはトムスGB社長などを歴任。ベントレーのル・マンプロジェクトにも携わるなど、海外、国内ともに豊かなコネクションをもつ。
なお、林みのる氏は日本自動車レース工業会(JMIA)の会長も退任し、トムスの大岩湛矣新会長が就任するという。