毎号、様々なクルマのテクノロジーを解説している自動車雑誌『Motor Fan illustrated』が創設した『MFiテクノロジー・アワード』の第1回表彰式が14日、都内で行われた。
このMFiテクノロジー・アワードは、Motor Fan illustratedが、優れた自動車テクノロジーそのものと、それを開発したエンジニアに“スポットライト”を当て、その功績を称えるために創設したもの。
アワードには4つの部門賞が設けられ、『テクノロジー・オブ・ザ・イヤー』、『パワートレーン・オブ・ザ・イヤー』、『アドバンスト・テクノロジー・オブ・ザ・イヤー』、『サスペンション・オブ・ザ・イヤー』から構成されている。選考は、モータージャーナリストや研究者、Motor Fan illustratedの編集スタッフらからなる選考委員会が行った。今回は、その第1回表彰式がとり行われた。
新たな技術の中ですでに製品化されているものを表彰するテクノロジー・オブ・ザ・イヤーは、ホンダのスチールとアルミの連続接合技術開発チームが受賞。異種金属を連続接合する技術の革新性と、それを量産車のフロントサブフレームに適応したことが高く評価された。この技術は、北米で販売されているアコードに採用されているという。
また、エンジンとトランスミッションを単体としてではなく、“パワートレーン”として表彰するパワートレーン・オブ・ザ・イヤーは、SKYACTIV-2.2DとSKYACTIV-Driveを開発したマツダが受賞。排気バルブの切替機構やシーケンシャル・ツインターボなどの技術を組み合わせえて理想のPCI(予混合圧縮着火燃焼)を実現したSKYACTIV-2.2D、そして新開発の6速AT、6速MTともに高い評価を受けた。
実用化にはいたらないが有望な技術を表彰するアドバンスト・テクノロジー・オブ・ザ・イヤーは、対向ピストン方式の高効率追求エンジンを開発したアメリカ・シリコンバレーの技術ベンチャー企業、ピナクル・エンジンズが受賞。水平対向エンジンではなく、クランクシャフトを2組持ち、向かい合うピストンが燃焼室を共有する対向ピストン方式のエンジンとなっており、まだ開発中ながら、スリーブバルブを用いたユニークな機構で高効率を実現する革新性と将来性が評価された。
また、現在国内で販売されているパッセンジャーカーのシャシーやサスペンションを評価するサスペンション・オブ・ザ・イヤーは、ランドローバー・レンジローバー・スポーツが受賞。8台のノミネート車による公道試乗を経て、絞りこまれた4台の中から選考委員による投票で決定され、選考委員のチーフテスターには「現代サスペンション技術による到達点のひとつを示すものとして高く評価したい」と評された。
表彰式では、選考委員らから選出の理由が説明され、受賞した各社の担当エンジニアや代表者らに三栄書房の鈴木賢志代表取締役社長からトロフィーが手渡された。また、ホンダのスチールとアルミの連続接合技術開発、そしてマツダのSKYACTIV-2.2DとSKYACTIV-Driveに関しては、開発に携わった担当エンジニアらによるプレゼンテーションも行われた。