鈴鹿サーキットの『2016 モータースポーツファン感謝デー』の中で実施された“スーパーフォーミュラ スペシャルテストラン”に参加した関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)とストフェルバンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、山本尚貴(TEAM無限)にスペシャルランの感想や14日から鈴鹿でスタートする公式合同テストへの展望を聞いた。
2011年に全日本F3選手権でタイトルを獲得して以降、スーパーGTを主戦場としていた関口。今季は昨年末のエンジンメーカー/ルーキードライバーテストで合流したチーム・インパルから待望のビッグフォーミュラデビューを迎える。12日のスペシャルテストランでは6番手タイム、13日の走行では14番手タイムだった。
その関口は「外からはとても速く見えるので、乗る前は結構速いのかなと思っていました。ただ、乗ってみると意外とストレートは速くないですね。逆にコーナー、特に高速コーナーはダウンフォースが多いので速いです」とSF14の印象を語った。
「GP2アジアシリーズやフォーミュラ・ルノー3.5をドライブしたのは、もう5年以上も前のこと。久々にこういうクルマに乗ると『コーナーが速いな』と感じますね」
「(現時点では)順位というよりも同じチームの(ジョアオ-パオロ・デ・)オリベイラとのタイムの差を比較しています。細かいセッティングの違いはありますが、同じチームで基本となる部分は変わりませんから。チームメイトをベンチマークにするために、タイム差を見ています。昨日、今日と走りましたが本格的な走行は明日から。ここでしっかり走りこめばシーズンの予想もなんとなくできると思います」
闘将星野一義監督は関口に対し「うちにピッタリのドライバー。とにかく“ギンギン”に行ってほしい」と期待を寄せている。チームメイトのオリベイラはチャンピオン争いの常連とも言えるドライバーで、関口の言うベンチマークとしては申し分ない。明日の合同テストではオリベイラと関口のタイム差は必見だ。
また、もうひとりの注目新人ドライバー、バンドーンは「(昨年戦った)GP2とスーパーフォーミュラの1番の違いはタイヤだね。それにコーナリングスピードがまったく違うよ」と、GP2との違いを表現した。
「(2日間とも)とても短いセッションだったけれど、ほとんど経験がない状態だから、マシンのフィーリングを確かめて、コースを覚えるには絶好の機会となったよ。月曜日から始まる公式テストで走行を重ねていけば、シーズンに向けた予想がしやすくなると思う」
「今まで戦ってきたレースとは異なる“文化”がスーパーフォーミュラにはあると思う。それを学び、理解する必要があるけれど、走りこんでいけば慣れていくだろう。もちろん、いい結果を出せるという自信も持っているよ」
バンドーンはスペシャルラン初日は11番手、2日目は9番手というポジション。もっともF1に近いドライバーと言われるバンドーンが、2日間の鈴鹿合同テストでどこまで習熟度を高めてくるか、期待したい。
そして、昨年ホンダエンジン勢として唯一の勝利を挙げた山本は、今回持ち込まれたヨコハマタイヤが昨年テストしたものとは異なる感触だったことを明かした。
「ヨコハマタイヤの感触は掴めていたと思っていましたが、今回からタイヤ(の構造など)が変わったので、セッティングを煮詰め直す必要があります。この2日間はそこを重点的に行っていました。感触としては悪くありませんが、このタイヤに合わせたセッティングと走り方を、もう少し煮詰めないとトップに立つのは難しいかなと思っています」
タイヤの印象に関して、ドライバーからは以前感じられたピーキーさがなくなったという意見やブリヂストンタイヤに似てきたといった声も聞かれており、やはりいかに素早くタイヤの特性を掴むかが、シーズンの鍵となることは間違いなさそうだ。
なお、14日の鈴鹿公式合同テストは午前10時30分~午後12時30分、午後3時30分~午後5時30分の2セッションが行われる予定。この合同テストは、ファン感謝デーの特別招待券かシリーズ開幕戦のチケット、遊園地入場料で観戦可能となっている。