NASCARの主催者は、ネイションワイド・シリーズで観客28人を巻き込む多重クラッシュが起きたにも関わらず、メインイベントである日曜日の伝統レース“デイトナ500”を予定通り開催する意向を明らかにした。
現地時間23日、米フロリダ州デイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われたNASCARネイションワイド・シリーズの決勝でチェッカー目前の最終ラップに多重クラッシュが発生し、マシン一台が宙を舞ってキャッチフェンスに激突した。この事故でフェンスの一部は破壊され、クラッシュしたマシンのエンジンとホイールひとつが観客席に入り込み、もう片方のホイールはグランドスタンドに飛び込んだ。
観客にケガ人も出た。合計28人のうち14人が地元の病院に搬送され、さらにそのうちのふたりは重体だという。また最新の情報では、重体者ふたりのうち、ひとりは生命の危険にあるとのことだ。
23日夜に記者会見を行ったデイトナ・インターナショナル・スピードウェイ社長のジョー・チトウッドは、日曜日に予定されているNASCARスプリントカップ・シリーズの開幕戦デイトナ500は、今回の事故の影響を受けないと語った。
「フェンスは我々の安全規定に沿って修復されるだろう。明日のレースは行うつもりだ」
「木曜日のデュエル、金曜日のトラックレース、そして今日のネイションワイドのレースとあらゆるイベントを踏まえて、サーキットを再度調査する」
「(マシンの)残骸がどこに飛び散ったのか、またそれによって何が必要なのかをチェックするつもりだ。唯一の変更は、クロスオーバーゲートを設ける時間がないことだ」
今回の事故は、観客がピットレーンにアクセスする場所で発生し、クラッシュしたマシンのフロント部分がフェンスの一部を破壊した。このゲートはレース前にボルトで確実に閉められていた。
NASCAR副社長であるスティーブ・オドネルは、ストックカーレースの統括団体自らが事故の調査を行うことを明らかにしている。
日曜日のデイトナ500は、女性で初めてスプリントカップのポールポジションを獲得したダニカ・パトリックを先頭にスタートが切られる予定だ。