ル・マン24時間レースを統括するACO(フランス西部自動車クラブ)は10日、2012年に向けたレギュレーションを発表し、LMP1クラスにおけるディーゼル車とガソリン車の性能差を減らすことや安全性、ハイブリッドに関するレギュレーションを発表した。
10日にACOから発表されたレギュレーションは、来季のル・マン24時間、そしてFIAとともにスタートさせるWEC(世界耐久選手権)、そしてル・マン・シリーズ、アメリカン・ル・マン・シリーズに適用される。
これまで大きな性能差があったLMP1クラスのディーゼルエンジン搭載車と、ガソリンエンジン搭載車の性能差についてACOは、2011年5月のスパ1000km、そして6月のル・マン24時間において、データロガーを搭載させ広範囲にデータを解析。その結果、ディーゼル車の性能を7%引き下げることを決定し、リストリクターをシングルターボで47.4mmから45.8mmに、ツインターボで33.5mmから32.4mmに縮小するとともに、過給圧を3000ミリバールから2800ミリバールに引き下げるとした。また、燃料タンクもこれまでの65リットルから60リットルに縮小させるという。
また、今季のル・マン24時間で重大な事故が発生したことを受け、ACOとFIAのセーフティ・コミッションは、LMP1、LMP2、フォーミュラ・ル・マンの全車にシャークフィンの装着を義務づけ。また、これまでのフロントのみから、リヤホイールを覆う部分にも開口部を設けることを課した。さらに、LMP1車両をのぞく後方視界確保を向上させるため、バックミラーの面積の拡大、また電気調整式の夜間モードを備えるバックミラーの装着が課せられたほか、LM-GTE車両はリヤビューカメラの装着義務づけ、また他のクラスの車両でもリヤビューカメラの装着が許されている。
一方、2014年からポルシェが参戦を予定している中でハイブリッドでの参戦が噂されているが、ACOは10日の発表の中でハイブリッドに関する規定も発表した。新たにフロントホイールでのエネルギー開放を時速120kmを越えた時点で許可するということ、また、ハイブリッド車用のブレーキに関する安全規定も新たに策定されている。