ル・マン24時間レースを主催するACO(フランス西部自動車クラブ)は、2011年に改正されるル・マン24時間のレギュレーションに関する説明を22日に発表した。この規則変更はアメリカン・ル・マン・シリーズやインターコンチネンタル・ル・マン・カップにも適用される。

 トップカテゴリーであるLMP1では、すでにテストを開始したプジョー90X、アウディR18でも見られる、エンジンカバー上部の形状変更によるシャークフィンの形成義務がなされたほか、サルテ・サーキットのラップタイムが3分30秒で収まるようにするためのスピード・パワーの抑制が行われ、エンジン出力は約520馬力程度に下げられる。

 一方で、燃料タンク容量がガソリン車で75リットル、ディーゼル車で65リットルに抑制。高燃費が求められるほか、2011年からハイブリッド技術を活用することが正式に認められる。ハイブリッドシステムはフライホイール式を含むが、F1におけるKERSのようにドライバーエイドとして使用されるのではなく、フロント、リヤのどちらかからエネルギーを回生しなければならない。

 さらに、ACOではエンジン/燃料による性能差を2%以内に抑えるべく、“バランス・オブ・パフォーマンス”を実施する権利を新たに持つという。性能調整はリストリクターと燃料タンク容量で調整されるという。

 LMP2クラスについては、プライベーターのためのカテゴリーでありメーカーの参加は認められないという立場から、コストキャップを主眼に置かれ、エンジンコストの制限などが新たに盛り込まれている。

 GTカテゴリーについては、昨年から発表されている通りGT1カテゴリーが廃され、ほぼLM-GT2をベースとした新たな“GTE”カテゴリーが新設される。GTEカテゴリーには、ドライバー制限無し/最新シャシー使用可能の“GTEプロ”と、1名だけACOが定める“ゴールドドライバー”を起用でき、1年落ち以下のシャシーを使用できる“GTEアマ”の2カテゴリーが設けられる。

 また、最低300台の生産台数がある車両であれば、マクラーレンMP4-12Cのようなコクピット周辺がカーボン製の車両もGTEとして出場できるとされている。

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