北米のスポーツカーレース、アメリカン・ル・マン・シリーズとロレックス・グランダム・シリーズが2014年に統合され、再び北米スポーツカーレースがひとつになることが5日、明らかにされた。
これは5日、デイトナ・スピードウェイでグランダムのジム・フランスとALMSのオーナー、ドン・パノスが出席し記者会見が行われたもので、ふたつのシリーズは2013年までは独立したシリーズとして争われ、14年からは統合されひとつのシリーズになるという。
NASCARの副代表も務めるジム・フランスは、「グランダム・ロードレーシングとALMSがひとつになり、新しいスポーツカーレースの組織を立ち上げることを発表することを誇らしく思う」と挨拶した。
「多くの人々が、この日が来るのを待っていたのを私は知っている。2014年からは、デイトナ24時間を皮切りとして、北米の新しいスポーツカー選手権が始まるのだ」
一方、ALMSを率いてル・マン24時間と強力なコネクションを作ってきたドン・パノスは、新組織の副チェアマンに就任。「我々のスポーツカーレースに対する情熱は頂点にあり、すべてはスポーツカーレースのために準備されていく」と語っている。
新シリーズについてはまだ名称は決まっていないとフランスは語るが、いくつかの候補があるという。また、グランダムはデイトナ・プロトタイプ(DP)を頂点としてGTカテゴリーが存在、ALMSはLMP1/2、LM-GT(GTE)、GTCというカテゴリーが存在するが、新シリーズのカテゴリー分けもまだ決まっていないという。
しかし、パノスはル・マンに直結するLMP1クラスがシリーズには含まれないのではないかという見解を示している。
「今の状況では、LMP1クラスはあまり考えられないだろう。我々はより先進のプロトタイプクラスを考えている。我々はアメリカをベースとするシリーズで、ともにアメリカン・スポーツカーシリーズを構築しようとしている。注意深くマーケットを見ていかなければならない」
英AUTOSPORTは、今回の声明の中で新シリーズの頂点が、現在のデイトナ・プロトタイプとなり、その下にLMP2クラスが存在する形になると予想。ただ、現状LMP2の方がDPよりも速く、ワーキンググループが速さを調整するために動いているとしている。
一方で、ポルシェやフェラーリ、BMW、シボレー、クライスラーと多くのエントラントを抱えるALMSのGTクラスは新シリーズの一部になるだろう、とALMS現代表のスコット・アタートンは語る。
また、ALMSとル・マンの関係は終わりでは無いとパノスは強調。今後もル・マン24時間にALMSのエントラントが出場するために、ル・マン24時間を主催するACOと協議に入っているとしている。また、新シリーズはデイトナ24時間、セブリング12時間を含め12レースになるという。
北米のスポーツカーレースは、1970年代から90年代初頭にかけて、統括団体IMSAによるシリーズが隆盛を極めていたが、98年に新シリーズが立ち上がり、グランダムとなることで分裂。フォーミュラにおけるインディカー/チャンプカーのように分断状態となっていた。