8月9日(日)に行われた、2009ARTAカップのSS・SSジュニアクラスに、ゲストドライバーとして井出有治が参戦した。ゲストドライバーながら、鈴木亜久里ARTAプロジェクトプロデューサーにプレッシャーをかけられているのか、井出も本気モードで超真剣バトルが繰り広げられた。
「川口彰選手のような強豪がいるので、結果を出すのはラクじゃない」と井出が言うように、SSクラスのレベルは高い。井出の出場するSSクラスはSSジュニアクラスとの混走で、SSクラス16台、SSジュニアが4台による20台での争い。川口選手のように2008年IMPカートレースシリーズ・ヤマハSSクラスシリーズチャンピオンや13歳ながら、ひとり北海道から参戦しに来た、SSジュニアを戦う尾崎諒祐選手など、各カテゴリーのトップ選手やハングリードライバーが多く集まる。
そう簡単にSSクラスの優勝賞金20万円を獲れるものではないが、「とったら飲めるじゃん」と亜久里からおごってほしいと言わんばかりの言葉もかけられていた。
気合いの入った井出は、タイムトライアル最終周でトップタイム42秒310をたたき出し、続く予選でも2位につけた。予選では、「中速に谷があった」ため、決勝でのギア比変更を指示。ただ「この変更が吉と出るか、凶とでるかは走ってみなければ分からず、賭けだ」と語っていた。負けられないという井出の気迫が感じられた。
迎えた決勝、一時順位を3番手に落とすも、2位に浮上。1位からはやや離されているようにみえたが、周回を重ねるごとに差をつめていく。最終ラップへ入る直前のコーナーで鮮やかなパッシングで1位にたち、観客をわかせた。このまま逃げ切るか、と誰もが思っていた矢先、追い越しを狙った高田亮選手と激しく接触。順位を4番手に落としてのチェッカーとなった。
接触の混乱を抜けだし、優勝したのは福田浩之選手。「前についていったら優勝してしまった」というラッキーな勝利だった。賞金の使い道については「まったく予想していなかったので、チームと相談して決めます」とうれしそうに語った。
井出は惜しくも優勝を逃し、接触により高田選手はリタイアとなった。しかしながら、ゲストドライバーといえども、本番さながらのアツい走りで観客を楽しませてくれたのは間違いない。