WEC富士ラウンドのサポートレースとして開催された、アジアン・ル・マン・シリーズ開幕戦。中野信治も所属する8号車レース・パフォーマンスが、2時間のレースで70周を走りきり、優勝を果たした。

 ポールポジションから2時間のレースをスタートしたのは、8号車レース・パフォーマンス。スタートドライバーを務めたのは中野信治だ。前日、マシントラブルのためにまったく走行できなかった99号車ユーラシア・モータースポーツが、8号車と共にLMP2としてエントリーしている唯一のマシン。そのマシンの修復が間に合い、なんとか2番手からのスタートとなった。しかし、予選タイムは8号車から2秒程度遅れており、その差は歴然であった。

 しかしスタート直後の1コーナーで、中野信治がミス。オーバーランしてしまい、その間に99号車の先行を許してしまう。後方では91号車チームAAIのBMW Z4 GT3と、5号車のアブソリュート・レーシングのアウディR8 GT3が接触。91号車はダメージを負ってしまい、すぐさまピットに戻っている。

 9周目、88号車チームAAIのアデス03がターン10にストップ。この回収のため、セーフティカーが導入されることになる。チームAAIの2台のアデス03は、予選でタイムを出すことができず、最後尾からのスタートだった。

 レースが再開された後は、柳田真孝がドライブする、もう1台のチームAAIのマシンである89号車が徐々に順位を上げ、レース開始35分程度を経過した時点で6番手に浮上している。

 一方、スタートで先頭に立った99号車ユーラシア・モータースポーツが快調に飛ばし、一時は8号車に対して8秒程度の差をつける。しかし、ドライバーが乗り替わり、レース開始から1時間が経過した頃から差が縮まり始め、39周目についに8号車がトップへと浮上する。99号車はどうやらトラブルを抱えているようで、8号車よりもラップタイムが3秒前後遅い。そのため、順位が入れ替わった後は差が広がるばかりで、47周目の時点で36秒遅れとなってしまった。

 残り30分を切ると、各車にトラブルが続出する。まずは27号車ネクサス・インフィニティの左フロントタイヤがパンク。ゆるゆるとピットに向かう。その5分後、松井孝允がドライブしていた89号車チームAAIがダンロップコーナーでストップ。順位を上げていただけに、残念な結果である。さらにその6分後には99号車ユーラシア・モータースポーツのタイヤがパンクし、スロー走行。大きく遅れてしまった。

 結局8号車レース・パフォーマンス(ニコラス・ロートウィラー/中野信治組)が2時間で70周を走り切ってトップチェッカー。今季のAsLMS開幕戦を制した。2位は3号車クリアウォーター・レーシングのマクラーレン650S GT3。上位クラスであるLMP3の1号車DCレーシングを差し置いての、総合2位である。なお、ファステストラップは、1分35秒694で中野信治が記録している。

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