Super GT 2014 Series
Round-1 / Okayama International Circuit
決勝レース重視のマシンで開幕戦8位入賞を果たす
Audi Team Hitotsuyamaは4月5~6日に岡山県・岡山国際サーキットで開催されたSuper GT 開幕戦「OKAYAMA GT300km RACE」に参戦致しました。BoP(性能調整ルール)によりパワー不足に苦しむ#21 Audi R8 LMS ultraは、予選ではクラス16位に留まりました。さらに決勝レースオープニングラップでも不運なアクシデントに巻き込まれ、一時はクラス22位まで脱落してしまいましたが、その後Audi R8 LMS ultra持ち前の安定したハイペースで周回を重ね、クラス8位まで急速にポジションアップを果たし開幕戦で完走を果たすことができました。
4月5日 公式練習
● 公式練習序盤はリチャード・ライアンがセットアップを担当。予想以上に低い路面温度とヨコハマタイヤが準備したタイヤのフィーリングを確認しつつ、マシンをセットアップしていく。
● 公式練習中盤に差し掛かり、藤井誠暢にドライバーを交代。リチャードがセットアップしたマシンを確認後、決勝レースを想定したロングランを行う予定だったが、マシンに異変が発生。午後の予選に向けマシンをチェックするために、走行を取りやめることとなった。
● 公式練習はクラス11位のタイムで終了。BoPによるパワー不足の影響から、一発の速さでライバル勢に劣る状況は否めないが、決勝レースでのペースを重視したセッティングを見つけ出すことが出来た。
4月5日 公式予選
● 公式予選Q1は藤井が担当。ライバル勢と比較し、決勝レースを重視した硬めのタイヤをチョイスしてのアタックとなった。
● アタック3周目に1分29秒285、4周目には1分27秒935と自己ベストを塗り替え一時はクラス9位まで浮上したものの、その後ライバル勢もタイムアップし、結果的にクラス16位まで後退。僅か0.131秒差でQ2進出を果たすことは出来なかった。
● Q1敗退という苦しい公式予選結果ではあるが、上位勢とのタイム差は拮抗しているため、決勝レースを重視しているAudi R8 LMS ultraにとっては十分にポジションを挽回出来る位置と言うことが出来る。
P1 #31 OGT Panasonic PRIUS 新田守男 / 嵯峨宏紀
P2 #4 グッドスマイル 初音ミク Z4谷口信輝 / 片岡龍也
P3 #55 ARTA CR-Z GT 高木真一 / 小林崇志
P16 #21 Audi R8 LMS ultra リチャード・ライアン / 藤井誠暢
一ツ山幹雄(チームオーナー)
「新チーム体制での初戦、BoPは依然として苦しいものがあります。Audiはライバル勢に比べて所謂“予選モード”のような一発のタイムを出すための機能がありません。ですから、予選ではどうしても苦しい展開となってしまいます。練習走行や公式テストでは毎回上位に食い込み注目されていますが、これはライバルチームが“予選モード”を使っていないからだと思います。きっと燃料もかなり多めに積んで、悠々と走っているのではないでしょうか。それと比較し我々は常に全開で走っているような状態と思ってください。だから予選になると、楽々走っていたライバル勢が“予選モード”で一気にタイムを上げてくる。でも我々は練習走行と同じタイムしか出せなくて、下位に沈んでしまうのです。今回もQ2に進出出来るかどうか、きっとギリギリの位置ではないかと予想していましたが、その通りでした。あと0.15秒でQ2進出というところでの悔しい予選結果ではありますが、決勝レースを見据えたセットでの予選でしたから、明日の決勝レースでは“気づいてみれば、Audiこんなところまで上がってきたんだ”という辛抱強いレースをしていきたいと思っています」
4月6日 決勝レース
● スタート担当は藤井。オープニングラップでGT500マシンが接触、停止したところにGT300勢が押し寄せてしまう。不運なことに#21 Audi R8 LMS ultra 藤井が現場に差し掛かかる直前にストップしていたGT500マシンがコースに復帰してしまい、藤井はこのGT500マシンに行く手を阻まれ失速。この間にライバル勢に次々とオーバーテイクされ、オープニングラップ終了時点でクラス23位までポジションを落としてしまった。
● レースが落ち着き、ポジションを挽回したい藤井だが、ブレーキングとコーナリングで前方を行くライバルの直後に詰め寄っては、加速ですぐに離されてしまう状況に。
● 監督・鬼木はこの状況を見てすぐに戦略を変更。藤井にはタイヤを温存し、安定したペースを刻み続けることを指示する。
● 17~18周目から強い雨が降り始め、オーバーランするマシンや大幅にタイムを落とすマシンが続出。マシンのパワー差よりもドライバーのテクニックが問われる難しいコンディションの中、藤井は水を得た魚のごとくポジションアップ。ライバル勢より1周当たり4~5秒速いペースで周回を重ね、わずか8周の間にクラス20位から14位までポジションを挽回してみせた。
● 藤井は自信のスティントの終盤で自己ベストを更新する余裕も魅せ、31周目にピットイン。クラス14位でリチャードに交代。
● 藤井がタイヤを温存したこともあり、フロントタイヤ無交換の戦略を採用。この戦略により、ピット停止時間を10秒以上短縮することが出来た。
● コース復帰時点でクラス18位であったリチャードだが、ハイペースで淡々と走行を続け、全車両がピットインを終えた時点で入賞圏内のクラス9位まで浮上。
● クラス8位を走る#0 MUGEN CR-Z GTとの差は15秒以上の開きがあったものの、リチャードは1周あたり1.5~2秒速いペースで走行。背後に迫るとあっさりと昨年のシリーズチャンピオンをオーバーテイクしてみせた。
● リチャードはその後も一切ペースを緩めることなくクラス7位の#86 クリスタルクロコ ランボルギーニ GT3に照準を合わせると自己ベストを更新する攻めの走りを披露。1周1秒ずつ#86を追い詰めて行く。
● ファイナルラップ、#86との差を0.982秒まで詰めたものの一歩届かず。クラス8位入賞で開幕戦完走を果たした。
P1 #4 グッドスマイル 初音ミク Z4谷口信輝 / 片岡龍也
P2 #7 Studie BMW Z4 ヨルグ・ミューラー / 荒聖治
P3 #11 GAINER DIXCEL SLS 平中克幸 / ビヨン・ビルドハイム
P8 #21 Audi R8 LMS ultra リチャード・ライアン / 藤井誠暢
一ツ山幹雄(チームオーナー)
「かなり混乱したレースで見ているこちらも手に汗握ってしまいました。オープニングラップの混乱で23位まで落ちてしまったのは不運としか言いようがないですね。ポジションは下げてしまいましたが、瞬時に判断した藤井は正しかったと思います。混乱の中で進路を大きく変えて接触したライバルも多かったみたいですし。その後はマシン特性上、どうしても前のマシンを抜くまでの余裕がありませんでした。ブレーキングを我慢してインに飛び込めば一時的には抜くことは出来るでしょうが、恐らく次のストレートでまた抜き返されてしまうはずです。監督の鬼木がすぐに戦略を変更して、とにかく藤井にはグループの後方を我慢しながら走ってもらって、燃料・タイヤの温存を意識させました。途中雨が降り出してからは藤井もしっかりと見せ場を作りましたし、藤井のおかげでフロントタイヤ無交換を採ることができました」
「後半のリチャードに関しても、与えられた状況下で限りなくベスト近いパフォーマンスを魅せたと思っています。終盤#86のランボルギーニと接戦になりました。結果的にオーバーテイクには至りませんでしたが、テンションの上がる気持ちの良いレースだったと思います。ストレートが長い第2戦富士はAudi R8 LMS ultraにとっては不向きなコースですが、500kmレースですので、今回のように安定した我慢強いレースで上位を狙っていきます。今回も沢山の応援ありがとうございました」
第2戦は5月3~4日に静岡県・富士スピードウェイにて開催されます。引き続き、皆様からの沢山のご支援・ご声援をお待ちしております。
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