2014 SUPER GT SERIES 第1戦 OKAYAMA GT 300km RACE レースレポート
日程:予選/4月5日(土) 決勝/4月6日(日)
開催サーキット:岡山国際サーキット
参戦クラス:SUPER GT GT300クラス
エントラント:DIJON Racing
ドライバー:Takamori博士、田中勝輝
マシン:Snao-on DIJON Racing GT-R(日産 GT-R NISMO GT3 /R35)
天候:4月5日/曇り 4月6日/曇り~雨~曇り時々雨
路面:4月5日/ドライ 4月6日/ドライ~ウェット~ドライ
結果:予選:24位 決勝:18位
2014年スーパーGTシリーズの開幕戦となる『OKAYAMA GT 300km RACE』が岡山国際サーキットで開催された
今年のGT300クラスは、昨年以上の激戦となり、メーカ支援色が濃くなったBMWZ4が3台と増え、メルセデスベンツSLS AMG GT3が4台、同じく日産GT-R NISMOGT3が6台をはじめとする総勢25台ものマシンがエントリーする。
DIJON Racingは昨年に引き続き、日産GT-R NISMO GT3で参戦(#48)、今年は、Snap-onをメインスポンサーに迎え、車名も新たに『Snap-on DIJON Racing GT-R』となり、赤を基調とした新しいカラーリングで開幕戦に望んだ。
ドライバーは昨年に引き続き、クレバーなドライビングで定評のあるDIJONRacingのエースドライバーTakamori博士と、昨年DIJON Racingコルベット#96でシリーズに参戦していた田中勝輝のコンビでシリーズ戦を戦う。
■4月5日 土曜日 練習走行
朝から開幕戦を待ちかねた多くのファンが岡山国際サーキットを訪れた。天気予報では“曇りのち雨”。公式予選終了まで雨が降ることはなかったが、気圧の影響で風は冷たく、気温は10℃までしか上がらず肌寒い一日となった。
午前9時から公式練習が開始。このセッションは、まずTakamori博士がコースイン。田中勝輝が昨年のペナルティポイントの累積により、今回のこのセッションでの最初の1時間の走行ができないため、Takamori博士を中心に進めて行く事になった。
セッション序盤からSnap-on DIJON Racing GT-Rのマシンセッティングを進めていくTakamori博士。低い気温の影響か路面温度が上がらず、タイヤとのマッチングに苦しむ。フロントタイヤのグリップ不足に悩まされながらも徐々にペースを上げていき、セッション後半には1分30秒台までタイムを短縮する。
Takmamori博士は約1時間半にわたり走行し、マシンセッティングを行い、計32周を計測した。このセッション残り15分で田中勝輝と交代し、わずかな走行時間となるが、順調に走行を重ね、マシンの状態を確認しながら徐々にペースを上げていき、練習走行を終了した。
先日の公式テストとはコンディションは異なるが、セッティングも概ね良い方向で、予選に向けて準備を整えた。ベストタイムはTakamori博士がマークした1分30秒612でGT300クラス24位という結果だった。
■4月5日 土曜日 予選
午前中の練習走行時よりも気温はわずかに上昇し、天候も時折陽が差す程に回復した。公式予選は午後2時から始まり、予選Q1セッションはTakamori博士が担当した。
GT300クラスに参戦する24台すべてが出走するQ1では、14番手から24番手までのグリッドが決定する。上位13台のみがQ2に進出でき、Q2で記録したラップタイム順にトップ13のスターティンググリッドが決まる。
コースインから徐々にペースを上げ、計測5周目には1分30秒233までタイムアップ。更なるタイム短縮を目指すも、計測6周目、7周目はタイム短縮は果たせず。計測8周目、一旦クールダウンを図り、計測9周目。残り時間を考えると、これが最後の予選アタックとなるが、しかし、この周でもタイム短縮はならなかった。
結果、計測5周目にマークしたタイムがベストタイムとなり、Takamori博士はこの予選セッションをGT300クラス23位で終了し、残念ながら予選Q1通過は果たせなかった。走行中ブレーキの不調を訴えていたが、走行後、ブレーキバランサーの不具合が見つかり、決勝に向け対策を施した。
■4月6日 日曜日 フリー走行
迎えた決勝日。昨夜からの雨も上がり、路面はハーフウェット状態。チームは午前9時からのフリー走行はスリックタイヤで走れると判断し、スリックタイヤでフリー走行を行う準備をする。しかし、フリー走行開始1分前から天候は激変する。
コースイン直前に、突如あられが降りはじめ、路面は見る見るうちにウェットコンディションへと変化していく。チームはウェットタイヤへの対応に追われるが、昨日のブレーキバランサーの不具合を確認するために時間が惜しい。
そのため、ウェットタイヤを準備するまでの間、あえてスリックタイヤで、Takamori博士はコースインする事に。気温、路面温度共にかなり低く、マシンをコースに留めるのも難しく、多数のスピンアウト車両が出たが50Km/h以上の速度で簡単に制御不能になるような状況の中、Takamori博士は冷静にアウトインラップを行い、状況が回復するまでしばらくの間、ピットで様子を見る事に。
開始12分。路面は徐々に回復し、GT500車両を見ていると、インターミディエイトからスリックタイヤに換えてコースインする車両が増えてきた。このタイミングで再度、スリックタイヤを履いてコースイン。まだ路面は滑りやすく、Takamori博士は、決勝レースへ向けたマシンの最終確認を主に走行を重ねた。
残り5分となったところで田中勝輝に交代。このセッションでは田中勝輝がマークした1分44秒226がベストタイムでGT300クラス21位という結果であった。田中勝輝はこれまで走行時間が少ないハンデを打破すべく、サーキットサファリの時間も精力的に周回を重ね、決勝前最後の調整を行った。
■4月6日 決勝レース
午前中とはうって変わって、スタート進行の時間となると強い陽射しが差すまでに天候は回復するが、気温は8℃と思ったほど上昇せずに、異例の寒さの中、今年のSUPER GT開幕戦決勝レースが午後2時スタートした。決勝スタートドライバーはTakamori博士が務める。
路面温度が上がらず、通常スタートは危険な状態。急きょフォーメーションラップが追加され1周減算の81周でスタートが切られた。オープニングラップでは、GT500車両同士が接触し、リボルバーコーナー先のコース上に1台がストップ。
GT300の一群がその場所に差しかかる直前にGT500ストップ車両が再始動したため、多重事故は回避されるも、GT300車両のグループは、急ブレーキや、これを避ける車両で大混乱する。Takamori博士は、落ち着いて、これらを処理してGT300集団の後方を走る。
スタート直後から接触やマシントラブルが随所で見られ、15周を過ぎたあたりから天候も一変する。いきなりあられ混じりの大粒の雨が降り出し、コース上はフルウェット状態。チームは通り雨で、雨はすぐ止むと判断し、Takamori博士にスリックタイヤで走り続ける事を指示する。
Takamori博士は、降雨の中、非常に滑りやすい路面に苦しみながらも、なんとかマシンをコース上に留め、途中、大幅にラップタイムを落とす場面もあったが、雨が上がるまでガマンの走りを続け、コースコンディションが徐々に回復していくと同時にタイムも徐々に向上していった。
Takamori博士はそのような過酷な状況の中にあっても43周目のピットインまでに11位まで大幅にポジションを上げる事に成功。作戦通り、43周でピットインを行い、リアタイヤのみ交換。最後まで走りきれる必要量のみ給油を行い、田中勝輝にマシンを託す。
18位で復帰した田中勝輝はこのレースウィークでの走行時間の不足と言うハンデをものともせず、残り周回を上手くまとめて走りきる。順位の変動こそ無かったが、Snap-on DIJON Racing GT-Rはこの開幕戦をGT300クラス18位でチェッカーを受けた。
次戦は5月3日から開催される富士スピードウェイで行われる『FIJI GT 500km RACE』に参戦となります。GT-Rと相性の良いサーキットですので、チーム一丸となって、今回以上の成績を目指して参りますので、引き続き皆様の暖かい応援を宜しくお願い致します。