2014 SUPER GT 第6戦 INTERNATIONAL SUZUKA 1000KM RACE レースレポート
日程：予選:8月30日(土)／決勝:8月31日(日)
開催サーキット：鈴鹿サーキット（三重県）
参戦クラス：SUPER GT GT300クラス
エントラント：DIJON Racing
ドライバー：Takamori博士、田中勝輝、富田竜一郎
マシン：Snap-on DIJON Racing GT-R(日産 GT-R NISMO GT3 /R35)
結果：予選：GT300クラス15位 決勝：GT300クラス14位(156Lap)
スーパーGT第6戦が三重県の鈴鹿サーキットで開催された。この第6戦、鈴鹿ラウンドは『第43回インターナショナル鈴鹿1000km』として開催され、今年で43回目の開催を数える鈴鹿サーキットの伝統的な耐久イベントでスーパーGTシリーズ最長の1000kmにもおよぶレース距離で争われる。
通常行われるスーパーGTシリーズ戦と比べると、3倍以上の距離を走行するだけでなく、天候の変化や暑さによる過酷なストレスなどによりアクシデントやイレギュラーな展開も起こりやすく、ドライバーやマシンのタフネス、綿密に練られた戦略がこのレースを戦い抜く為には重要な要素となり、毎年熱いレースが繰り広げられている。
DIJON RacingはこのレースにレギュラードライバーのTakamori博士と田中勝輝に加え、スーパーGTに初参戦となる期待のルーキー富田竜一郎（DIJON Racing育成ドライバー）の3名ドライバー体制で過酷な1000kmレースに挑んだ。
■8月30日（土曜日） 練習走行
この日の鈴鹿サーキットは晴れ。陽射しは強いものの、秋の訪れを感じさせる陽気の中で練習走行が行われた。Snap-on DIJON Racing GT-RはまずTakamori博士からコースイン。
Takamori博士はまずアウトインラップを行い、マシンの各部をチェックする。その後、マシンの持ち込みセットを確認するためにラップタイム計測に入る為にコースインするが、GT500車両の火災により赤旗が提示されたためTakamori博士は満足な計測を行わずにピットへ戻る事に。
マシンのセットアップは良好なので、チームはスーパーGT初挑戦となる富田竜一郎に早めにドライバーをチェンジしてコースイン。富田選手は4周を計測し、2分3秒917までタイムアップを果たす。そして田中勝輝に交替し、5周を計測し2分5秒756をマークする。
セッションも中盤を迎えた所で、富田選手が再度コースイン。ニュータイヤを装着し本格的なアタックラップに突入する。2周のウォームアップの後、いよいよアタック開始し、富田選手はここで2分02秒199までタイムを縮め、この時点でGT300クラス13番手に付ける。
続いてTakamori博士に交替する。USEDタイヤに交換し1周計測で2分5秒802をマークするも、マシンバランスで気になる箇所があり、マシンチェックのためにすぐにピットインし、またもや満足の行くアタックラップに入る事が出来なかった。
マシンチェックの後、田中勝輝に交代し、2分04秒577の自己ベストをマークし、翌周にピットへ戻り練習走行が終了した。このセッションでは16位という結果に終わったが、他のGT-R勢との差はほとんど無く、続く予選に向け期待の持てる内容で終了する事ができた。
■8月30日（土曜日） 予選
引き続き好天の中、14:00から予選Q1セッションが開始された。今回の予選Q1セッションは練習走行でスピードを見せた富田選手が担当し、コースインして2周にわたりウォームアップを行ってタイヤに十分な熱入れを行う。そして『アタックに入る』との無線が富田選手より入り、セクター1、セクター2と上位陣と遜色の無いタイムを刻んで富田選手のタイムに期待をよせていたが、不運にも2号車マクラーレンのコースアウトにより赤旗が提示されてしまいセッションは一時中断となる。
残念ながら富田選手のこのタイムアタックは無効となってしまった。コースアウト車両の回収が終了しセッションが再開。この時点で予選Q1セッションは残り時間7分となり、富田選手はQ1通過を目指して再びアタックラップに入る。
最初のアタックで2分01秒629をマークし10番手に付け、更なるタイム更新を目指しアタックを続けるも、富田選手の前を走る前走車がコースアウトして、目の前に戻ってきたため、その車両を回避するためにタイムロスするも、2分01秒365とタイムを縮める事に成功する。
しかし、ライバル達のGT300勢も最後のタイムアップ合戦を繰り返しており、この時点で14位となる。富田選手も予選Q1セッション突破を諦めず、最後のアタックに入るが、タイヤの美味しい所は終わり2分01秒819とタイム短縮はならず。
富田選手は十分なスピードを見せたが、赤旗中断によってベストな状態でのアタックが出来こともあって、15位で予選Q1セッション不通過となってしまった。
Snap-on DIJON Racing GT-Rの今期予選ベストリザルト更新こそしたが、やはりチーム全員が予選Q1セッション突破へ手応えを感じていただけに、悔しさを感じてしまう予選結果となってしまった。
■8月31日（日曜日） フリー走行
昨日より雲は多く、8月下旬としては過ごしやすい天候の下で行われた日曜日のフリー走行。決勝レースのシミュレーションを兼ねて燃料を満タンにし、富田選手、田中勝輝、Takamori博士の順でセッションを進めていく。チームベストタイムは富田選手がマークした2分04秒603でクラス22位という結果だったが、仕上がりは良く、決勝に向けて準備は万端に見えた。
しかし、続くサーキットサファリを担当したTakamori博士がピットに戻ってきた直後に身体の不調を訴えた。このためチームはTakamori博士をこれ以上ドライブさせる事を断念し、決勝レースは田中と富田の2人で戦う事とした。
■8月31日（日曜日） 決勝
1000kmレースである為にフリー走行終了後から間もなく迎えた決勝レース。決勝日には36,000人もの大観衆が鈴鹿サーキットに訪れていた。
通常のフォーメーションラップの前に行われた警察車両先導によるパレードランの後、いよいよ決勝レースのスタートを迎えた。今回のスタートドライバーを務めるのは富田選手。オープニングラップで2台を抜き、13位で戻ってきた富田選手。
その後、しばらくの間、同じGT-R GT3を使用する360号車とバトルを展開。26周目にはこれをパスすると富田選手はスーパーGTデビューレースとは思えない安定した走りで、最初のピットインを行う33周を終える頃にはなんと2位まで浮上する大躍進を見せた。
最初のピットインで、タイヤのグリップダウンとのインフォメーションがあったため、タイヤを4本交換し、給油を行ったSnap-on DIJON Racing GT-Rは18位でコースに復帰する。富田選手からバトンを引き継いだ田中勝輝も着々と順位をあげていき、担当スティントを終える66周には12位まで順位を回復していた。
2回目のピットインではリアタイヤのみ交換、給油を行った。ピット作業で20位で順位を落としたSnap-on DIJON Racing GT-Rだったが、富田選手はこのスティントで12位まで順位を回復する。
スタートから約3時間半が経過。Snap-on DIJON Racing GT-Rの周回が100周を迎えたところで3回目のピットストップ。このピットインでタイヤを4本交換、残りの周回に向け少しでも順位を上げるべく、タイヤを使い切ってでもスパートをかけ、田中勝輝は自身最後のスティントで26周を走り、この時点で16位に再浮上する。
Snap-on DIJON Racing GT-Rが126周で最後のピットイン。タイヤを4本交換し、給油を行った富田選手のドライブで最後のスティントに向かった。富田選手は最後のスティントも上位陣と変わらぬ好ペースで周回を重ねた。
18時02分、GT500クラスのトップが173周を終えてチェッカーを受けた約1分後、Snap-on DIJON Racing GT-Rは156周を走りきり、大きなトラブルも無く、GT300クラス14位の今期ベストリザルトで鈴鹿1000kmレースのチェッカーフラッグを受けた。
次戦のスーパーGTは初開催のタイで行われます。DIJON Racingはドライバーに今回活躍した脅威のスーパールーキー富田竜一郎を起用する予定です。富田選手は既にシミュレーターでタイのコースを走りこんでおり、かなりの好走が期待されます。引き続き、皆様の暖かい応援よろしくお願い致します。
