ヨーロッパを転戦するヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)は20日、2012年シーズンのまだ開催されていないレースをすべてキャンセルすると明らかにした。
世界を転戦するWEC世界耐久選手権が誕生した今季、ヨーロッパで争われていたELMSはLMP1車両の参加を止め、LMP2を頂点にLMPC、LM-GTEプロ/アマというクラスで争われることになっていた。
しかし、開幕戦のポールリカールから台数が伸び悩み、第2戦ゾルダーは台数不足でキャンセル。第3戦ドニントンは開催されたものの、わずか13台のエントリーに留まることに。この状況を踏まえELMSは、残る9月のブルーノ戦、11月のアルガルベ戦をキャンセルすることになった。
キャンセルとなったELMSの2戦に代わって、10月17日〜20日に開催されるアメリカン・ル・マン・シリーズ(ALMS)のプチ・ル・マンにELMSのエントラントが招待されることとなった。今季のプチ・ル・マンはWECのカレンダーから外れており、ALMS、ELMSのエントラントが集まることになる。なお、このラウンドでELMSのポイントは2倍になるという。
ELMSのオーガナイザーはこの決定に対し、「現在のヨーロッパの危機的な経済状況、そしてヨーロッパにおける強力なGTカーのマーケットにより、このタイプのレーシングカーが減少しており、今回の結果に至った」と声明を発表した。
しかし、オーガナイザーは今回のキャンセルの決定が、ELMSの終焉を意味するものではないとした。
「ELMSのオーガナイザーは、全力を挙げて将来に向けて取り組んでいる。ELMSはル・マン24時間耐久レース、WEC世界耐久選手権のトップレベルに至るための良いトレーニングの場であるべきだ」
「この取り組みの結果は2013年に向けたある提案をもって、9月に発表される」