■SUPER耐久 第2戦 韓国 ENDLESS SPORTS レースリポート
2013スーパー耐久シリーズ開幕戦が降雪のために中止となった事から、第2戦がスーパー耐久シリーズ2013の実質的な開幕戦となり、2013 年5月25~26日、韓国のインジェ・スピーディウム(韓国・江原道麟蹄郡)でスーパー耐久シリーズ第2戦『SUPER TAIKYU in KORIA』が開催された。
インジェ・スピーディウムはソウルより東に約150km程離れたインジェ・オートテーマパーク(サーキット以外にホテル(134室)・コンドミニアム(118室)や商業施設が併設)に作られたサーキットで高低差があり非常にテクニカルなコースレイアウトが特徴となっている。
インジェ・スピーディウムは、2013年5月に完成したばかりの新造サーキットで、現在はKARA国内公認規格サーキットだが、7月にはFIA公認規格の取得を目指しており、スーパー耐久、スーパーフォーミュラ、アジアン・ル・マン・シリーズの国際規模レース開催が予定されており、『SUPER TAIKYU in KORIA』がこのサーキットのオープニングイベントとなった。
今回のスーパー耐久シリーズ第2戦は、通常のレースフォーマットとは異なり、決勝レースはAドライバーとBドライバーに分かれて、それぞれ45分間のスプリントレースを2レース行うフォーマットで開催される。ENDLESS SPORTSは第1レースをTakamori博士、第2レースを村田信博でエントリーする布陣で戦う。
日本からの20台のエントリーに加え、韓国で開催されているヒュンダイ・ジェネシスのレースカーも11台が参戦。インジェ・スピーディウムのオープニングという事も含めて華やかな雰囲気の中でレースは開催された。
【フリー走行】5/25(土) 10:00~12:00
金曜日はコース内を徒歩で確認することしか許されず、予選に先駆け2時間のフリー走行が5月25日(土)10時00分より2時間に渡って行われた。ほぼ全員が初めて経験するサーキットのため、どのチームもコースの習熟、燃費やタイヤの摩耗具合など多くのデータを収集する事に費やしていた。今回はフリー走行からタイヤの使用規制があるため、ENDLESS SPORTSでは、マシンセットアップとドライバーの習熟に1時間程度の走行で早めにフリー走行を切り上げることにした。ベストラップこそ1'52秒台でST4クラス6番手タイムであったがアタックは行っておらず、予選時には更なるタイムアップも見込めそうである。
【予選】5/25(土) 14:45~15:00/Aドライバー予選 16:10~16:30/Bドライ
バー予選
今回の予選は、2レース制のため、予選は通常の合算タイムで争われるのでは無く、Aドライバーは第1レースの、そしてBドライバーが第2レースのグリッドを決める方式が採用された。予選は、3グループに分けられ、最初にGT3クラスとST-2クラス、ST-3クラスの8台、次にST-4クラスとST-5クラスの12台、最後に韓国チームの11台で争われる事となった。
先ず行われたAドライバー予選ではTakamori博士がアタックを担当するが、コースインして直ぐにコース上でコンピュータシステムに不具合が起こる。タイライフを考えると無駄なピットインはできず、満足な状態ではないが、予選通過を目指したアタックを行い、1'52.749を記録、ST4クラスの6番手で予選を終えた。
予選終了後から、チームはトラブルの解析・対策を行うことに尽力し、Bドライバー予選に臨む。しかし、走行チェックする時間が無いだけに正直不安も残るが、続いて行われたBドライバー予選で村田信博がファーストアタックで1'49.711と、ST4クラスの2番手のタイムをたたき出し、トラブルも改善されたように見えチームも一安心。最終的にはST4クラスの3番手で予選を終えた。
【フリー走行】5/26(日) 9:00~9:30
決勝第1レース前に行われたフリー走行では、コンピュータシステムチェックのため、Takamori博士がドライブ。予定ではマシン状態がOKなら2周で終了する予定だったが、残念な事に、コンピュータシステムの不具合が再発し、状況解析・対応策を発見するためにTakamori博士がアウトインを繰り返してマシン調整を行った。なんとか終了時間目前に暫定的な解決方法を発見することに成功し、このセッションの間、1コーナーを一度も走る事無く30分の時間をフルに使いきり、決勝レースへの準備は終了した。
【決勝第1レース】5/26(日) 10:30~45min.
決勝第1レースは今回Aドライバーを務めるTakamori博士が出走。
予選はトラブルのため、周りをジェネシスクーペに囲まれた中盤の20番グリッドからのスタートとなる。タイヤの摩耗に不安は残るが、1周目からフルプッシュし、9台のマシンを抜きさき、ST-4クラス3位まで順位を上げる。このままのペースだとタイヤの磨耗が45分間持た無いため、タイヤ温存でペースダウンしていたST-4クラス2番手DIJON Racing太田選手の背後にマシンを付け、阿吽の呼吸で1'51秒台でクルージングしていたところ、後方からの無謀な追突でマシン大破し、コースアウト。最後尾まで順位を落とすも、なんとかマシンを宥めながらリスタートし、残り時間フルプッシュし、ST-4クラス4番手まで順位回復してチェッカー。
【決勝第2レース】5/26(日) 15:15~45min.
華やかなセレモニーを挟み行われた第2レースには村田信博が登場。
15時18分にスタートしたこの第2レースでは問題無くスタートを決めた村田信博はST-4クラストップの#48 DIJON IS WAKO'S ENDLESS DC5 鶴田選手を追走し、タイヤを温存しながらレースをマネージメント。レース時間45分が経過、残り2周となったところで、予定通り、#48鶴田選手をパスし、1'49秒台までペースアップ。そのままチェッカーを受けた村田信博はこの第2レースをST-4クラス1位でフィニッシュ。村田選手は、TOYOTA 86をスーパー耐久デビュー2レース目で初の優勝へと導いた。
#13 ENDLESS DIJON ADVAN 86は、ランキングトップ#41(S2000)と1ポイント差となる15ポイントを獲得し、シリーズチャンピオンに向けて好スタートを切る事ができた。スーパー耐久シリーズ第3戦は7月20~21日にツインリンクもてぎで5時間耐久が予定されてます。引き続き皆様の応援よろしくお願い致します。