日本GPを前に、英国の新聞を中心に過熱したジェンソン・バトンのF1引退報道。「鈴鹿の木曜会見で引退宣言するのでは」との憶測もあり、大きな注目が集まった。
しかし、実際にはバトンの口から引退の意志が明かされることはなく、日本GP終了後には2016年も残留で間違いないと囁かれるようになっていた。
そして10月1日に、マクラーレン・ホンダはバトンが2016年も同チームでレースに出場することを正式発表。そもそもバトンは2015年・2016年の2年契約を結んでいたため、残留が決まっても何も発表されないのではないか、という見方もあった。おそらく引退説が広まったため、あらためての発表となったのだろう。
本日発売の『F1速報』日本GP号には「バトン“鈴鹿で発表”から一転、真相を追う」という記事が掲載されている。同誌によれば、バトンが2014年末にマクラーレンと結んだ2年契約にはオプション(付加条項)があり、その合意期限が9月末日。当初の契約ではバトンの年俸は「2年間で1800万ユーロ(約24億円)」ただし「2015年は600万ユーロ(約8億円)、2016年に1200万ユーロ(約16億円)」という変則的な契約となっていたと言われている。
今シーズンの成績不振により、2016年はコンストラクターズランキングに応じて受け取る分配金が大幅にダウンしそうなマクラーレン。そこでチーム側は契約違反を承知の上で、バトンに2016年に支払う年棒を半分の600万ユーロに減らすと通告したことが、引退報道の発端となった。
バトン側は、F1引退をほのめかすことでメディアを通じてチーム、そしてホンダに揺さぶりをかけたと考えられる。そしてオプション契約の合意直後に発表された内容を見る限り、その狙いは見事的中したと言えそうだ。
F1速報日本GP号・16ページ増で鈴鹿の表と裏をレポート
http://www.sun-a.com/magazine/detail.php?pid=7758
AUTO SPORT BOOKS デジタル版
http://www.as-books.jp/books/info.php?no=FSH20151001