F1第16戦インドGPの決勝レースでトップ10入りを果たしたドライバーが、決勝の戦いを振り返った。
セバスチャン・ベッテル 決勝=1位
「最初に今日来てくれた観客の皆さんに心から感謝したい。今日は信じられないほど素晴らしい歓迎を受けた。来年ここでレースができないのが残念だ。言葉にならないよ。ラインを越えた時、空っぽになってしまった。何を言おうか考えられるようになるまで、ものすごく時間がかかった。たくさんのことが言いたいのに言えない、そんな瞬間だった。本当に驚くべきシーズンだった。このチーム、そしてこのチームの精神はとても強いと思う。無線でも言ったけど、それが僕に大きなパワーをくれたんだ。コクピットに飛び込み、チームの皆のために走り、全力を尽くすのは、大きな喜びだ。今日のマシンは素晴らしかった。レース前にはドーナツターンをやるつもりはなかったんだけど、自然とそうなってしまった。エンジニアからは、通常どおりの手順を踏むよう指示されたが、「今日は例外!」って答えたよ。今日はメイングランドスタンドに大勢の人がいたから、やらなければと思った。チーム、そして僕らを支えてくれたすべての人たちに心から感謝する。楽なシーズンではなかった。外から見れば僕らがタイトルを手中に収めているように見えたかもしれないが、難しいシーズンだった。僕自身にとってタフなシーズンだった。何も悪いことをしていないのにブーイングを受けたんだ。それを乗り越え、コース上で正しい答えを出し、それが認められたことをとても誇りに思う。プロスト、ファンジオ、ミハエル(・シューマッハー)の仲間入りを果たしたなんて信じられないよ。今日は僕のここまでの人生の中でも最良の一日のひとつだと思う。感謝すべき人たちは大勢いる。僕はいつも耳を傾け学ぼうとしてきた。世界でもベストのドライバーたちとレースができて最高だ」
ニコ・ロズベルグ 決勝=2位
「今日のセバスチャン(・ベッテル)は素晴らしい仕事をしたね。彼は4度目のタイトルにふさわしい。僕らのチームの話をすると、今日のレースはとても重要だった。大量にポイントを獲得し、コンストラクターズ選手権2位に浮上することができた。シーズン最後までこのポジションを維持できると確信している。チームは素晴らしい仕事をしているし、マシンも好調だからね。それでも激しい戦いになるだろうけど。今日はいいペースで走れた。セットアップをうまくこのサーキットに合わせることができたんだ。戦略でもチームはとてもうまくやってくれたから、彼らに感謝している。唯一完璧とはいえなかったのは、スタートでフェリペ(・マッサ)の後ろに落ちたこと。彼をコース上でオーバーテイクするのは簡単なことではなかった。でもピットストップを使ってうまく彼の前に出ることができた。今週末の僕らの目標はレッドブル以外のベストの位置で、それを完璧に達成することができた」
ロメイン・グロージャン 決勝=3位
「昨日の時点で「君は表彰台に上がれるだろう」と言われていたら、「どうかしてるんじゃない?」って答えたね! 17番グリッドからのスタートだから、大きな望みは持っていなかった。コンピュータによると、戦略が最もうまくいった場合でも4位という予想だった。自分自身、3位になることに一銭だって賭けなかっただろうね。レースペースは素晴らしかったし、昨日と同じく、すごく大胆な戦略で走った。安全にいくべき状況ではなかった。それが報われて表彰台まで挽回できた。決勝をスタートした直後からオプションタイヤにとてもいい感触を持てて、すごく好調だと感じた。その後ミディアムに換えたら、マシンはとても速かった。(エステバン・)グティエレスの後ろでかなり時間を失った。それがなければ2位を争えたかもしれない。それでも僕らはうまく挽回できたよね。残り27周の時点で(フェリペ・)マッサの前の4番手を走っていた。彼とは厳しい戦いになるだろうことは分かっていた。僕らはタイヤをうまくケアしなければならなかったし、レース終盤にエンジンの問題があったため、余計に辛い状況だったんだ。終盤、キミ(・ライコネン)はタイヤでとても苦労していたから、彼の前に出て、その後、フェリペに抜かれずに済むだけのペースを発揮することができた。キミは難しい状況だった。僕はアウト側に行ったが、彼には見えていなかった。僕はエンジンに注意しなければならず、マッサが僕より新しいタイヤで後ろから迫ってきていた。(キミの後ろで)少し時間を失ったが、気にしてないよ。大事なのは、僕らは表彰台に乗り、大量のポイントを稼いだということだ。残りのレースでもマシンは素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれるだろう」
フェリペ・マッサ 決勝=4位
「いいレースができてとても満足だ。戦略はうまくいったね。ソフトタイヤの時を含め、常にいいペースで走れた。表彰台争いをするチャンスはあったけれど、路面状態がよくなったために、ロータスのグロージャンなど、何台かが1回ストップを成功させてしまった。それは僕らには不可能だった。ロズベルグは2回目のピットストップを早めに行い、僕の前に出た。それでも今日僕らは全くミスをしなかったのだから、満足すべきだろう。今日はメルセデスがとても速かったため、コンストラクターズ選手権2位の座を失った。これから簡単にはいかないだろうが、あと3戦残っているから、最後の最後までベストを尽くす。セバスチャン(・ベッテル)におめでとうと言いたい。彼はここまで成し遂げたことすべてにふさわしい。素晴らしいドライバーだし、とてもいいやつだから、よかったと思う。今日から彼の名前は、セナやシューマッハーなど、F1の歴史の中で最も偉大なドライバーたちと並んで刻まれる」
セルジオ・ペレス 決勝=5位
「この2、3戦、不運が続いたけれど、ようやく不運に見舞われることなくレースをすることができた。僕に大きなプレッシャーがかかっていたことは事実だ。大きなプレッシャーの下でいい結果を出せるのは偉大なチャンピオンだけだから、いい兆候だと思う。ものすごく満足している。本当によかった。残り3戦もこの調子で戦いたい。レース終盤、キミ(・ライコネン)とルイス(・ハミルトン)をまとめてオーバーテイクした時は、本当に最高の気分だった。ターン4で可能な限りブレーキングを遅らせて、ルイスを前に出さないようにして、やり遂げることができた。ここまでタフなシーズンだったけれど、今日の結果にはいい兆候を感じるし、残り3戦に向けてスタッフ全員のモチベーションにつながる。最終戦までベストを尽くし、もっと強力な結果を出すことを目指すよ。最後にセバスチャン(・ベッテル)に心からおめでとうと言いたい。彼はこの数年、偉大なチャンピオンであることを証明してきた。素晴らしいシーズンを送り、信じられないような偉業を成し遂げた。来年はぜひ彼と戦いたいと思っているよ!」
ルイス・ハミルトン 決勝=6位
「4度目のチャンピオンに輝いたセブ(ベッテル)を心から祝福する。素晴らしい功績だ。今シーズン、彼は信じられないようなパフォーマンスを見せてきた。来年は絶対に彼と戦いたいね! 今日の僕のレースの話をすると、ニコ(・ロズベルグ)が表彰台に上ったこともあり、たくさんポイントを獲得できて、チームがランキング2位の座に戻ることができてよかった。今週末、マシンはとても好調だったけれど、僕にとっては悔しいレースになった。ポイントを取れたのはよかったが、戦略が問題だった。フェラーリを抜くのは本当に難しかった。なんとか抜こうと頑張り続けたが、それによってタイヤをだめにしてしまった。僕にとって最悪のレースだった。でも仕方ない。こういうこともある。6位フィニッシュには全く満足できないけれど、まだ3戦残っているから、プッシュし続ける。いい結果を出してチームが2位の座を維持できると確信している。それを目標に戦い続けるよ」
キミ・ライコネン 決勝=7位
「最初の20周は、ブレーキがひどいオーバーヒートを起こしていて、ほとんど使えなかった。誰かに近づくたびにブレーキを失うんだ。レース終盤はタイヤの性能も完全に失った。本当に期待外れの一日だった。タイヤがあっという間にだめになるだろうことは分かっていた。でも失う時間を考えた場合、最後まで走ろうと試みても、もう一回ピットストップをしても、それほど大きな違いはなかった。最終的にうまくいかなかったね」
ポール・ディ・レスタ 決勝=8位
「チームのホームグランプリであるインドGPでポイントを獲得できて本当によかった。僕らにとってすごく重要なレースだからね。事前の計画どおり、1周目の最後にピットに入ってソフトからミディアムに交換するという、アグレッシブな戦略をとった。その後は事実上、レースをふたつに分けて走り、30周目に2セット目のミディアムタイヤに換えた。この数週間、僕らは着実にマシンを向上させているというのも、ポジティブな点だ。より快適に走れているし、来週末のアブダビでも同じレベルのパフォーマンスを発揮できると、自信を持っている」
エイドリアン・スーティル 決勝=9位
「ポイント獲得を目標にしていたから、8位と9位というのは僕らにとって素晴らしい結果だ。僕が実行した1回ストップの戦略はよりリスクの高いアプローチだったが、レースの途中でやってみることに決めた。最初に装着したミディアムタイヤはとてもパフォーマンスがよかったので、1回ストップで走り切るのが可能だと分かった。ソフトタイヤは5周ぐらいしか持たないと考えていたから、うまく管理しなければならなかったが、最終的には20周弱走ることができた。最近は厳しいレースが続いていたが、今日はチーム全体が素晴らしい仕事をして自分たちの力を皆に見せつけることができた」
ダニエル・リカルド 決勝=10位
「今日のパフォーマンスをとても嬉しく思っている。ただ、レース中は10位より上位を狙えると思っていた。特にファーストスティントが好調で、ペースがよかっただけにね。スーティルとディ・レスタと同じあたりに行けたと思うから、彼らの前に出てあともう少しポイントを稼げなかったことが少し残念だ。でも全体的に自分のドライビングには満足して次のアブダビに向かうことができるよ。アブダビではファンが熱心に応援してくれるから、来週の日曜には彼らにいい結果をプレゼントしたい。ベッテルについて? 素晴らしいよね! 特に夏休み以降、彼はしっかりとタイトルをつかみ、他の誰にもタイトルの希望を与えなかった」