シーズン2回目となるF1合同テストがヘレスで2月10日にスタート。初日は開始から1時間後に雨が降り出し、ウエットタイヤでの走行となった。雨が降り出す前にメルセデスGPの二コ・ロズベルグがマークした1分20秒927がこの日の最速タイムとなっている。

 テストセッションがスタートし、ロズベルグが短い連続周回を何回か行ったところで雨が降り出した。これによりチームはウエットおよびインターミディエイトタイヤでの走行に切り替え、初の天候不良下でのMGP W01の走行ながらトータル57周を走りきった。最後はメカニカルトラブルにより、コース上で立ち往生したためセッションは赤旗中断となり、そのままテストは終了となった。
「クルマの状態はとても良かった。バレンシアではシートポジションが低すぎて視界が良くなかった上にセッティングも十分でなかった。でも、今日は快適だったし、プッシュすることもできた。良いテストのスタートとなった」とロズベルグ。メルセデスGPでは明日11日はミハエル・シューマッハーがドライブする予定となっている。

 2番手タイムをマークしたトロロッソのセバスチャン・ブエミも同様にドライでマークしたタイム。しかし、ウエットでの走行においてもSTR5でブリヂストンの新しいインターミディエイトタイヤの評価やセットアップの確認を行うなど84周を精力的に走行した。
 ブリヂストンが今回持ち込んだ、新インターミディエイトはドライタイヤ同様にフロントの幅が前年までのものよりも狭められている。また、ウエットタイヤはこれまでと同じものであるが、リム幅の細いホイールに組み込まれている。

 フェラーリはフェルナンド・アロンソの走行により、F10の信頼性のチェックに重点おいた。マークしたタイム、1分22秒895はバレンシアで使用したタイヤを装着した最初の走行でマーク。雨が降り出してからは、昼休みに予定していたギヤボックスの作業を前倒しに行い、その後はウエットタイヤの評価にあてている。

 5番手タイムをマークしたザウバーの小林可夢偉だったが、チームは早すぎた雨の到来で予定していたプログラムをこなせずに少々いらだっている模様。翌日のテストでは好天を切望している。
「希望していたような天気にならなくて残念。メカニカルなテストと空力の確認をしたかったのだが、スキップせざるを得なかった。ほとんどのセッションを可夢偉はインターミディエイトで走行していたが、セットアップ確認やシステムのチェック、スタート練習などを行っている」とトラックエンジニアリング長のジャンパオロ・ダララがテスト初日の概要を語っている。

 マクラーレンも空力のテストを予定、それらは雨が降り出す前に行うことができた。その後は別メニューに切り替え、エンジンとギヤボックスのマッピングを行った他、ブレーキの素材比較も実施している。タイヤはウエットを主に使用していた。

 テスト初走行となるフォース・インディアVJM03はビタントニオ・リウッツィのドライブで300km以上の距離をトラブルフリーで走り切り、まずまずの出だし。11日もリウッツィがドライブする予定となっている。
「ドライでの走行はたったの3周だったけど、テストを通じて大きな問題がなく、マシンに慣れ、各システムのチェックをするということは予定通りに行えたので、非常にいい感じ」とリウッツィ。「明日は良い天気だといいのだけど」。

 レッドブルのRB6もテスト初走行で注目を集めていた。マーク・ウエーバーは初日の走行を担当したが、コース上にストップしてしまい、この日最初の赤旗の原因を作ってしまった。ストップの原因はオイル漏れでエンジン交換を行っている。
 レースエンジニアリングのチーフのイアン・モーガンは「午前中はスムーズに進んでいただけに、その後に起こったトラブルは残念でならなかった。エンジン交換をする羽目になり、時間を費やしてしまった」と語っている。

 そして、新規参戦チームの先陣を切って合同テストに現れたヴァージン・レーシングは、ティモ・グロックが走行。ドライでタイムの計測ができなかった上に、インスタレーションラップをメインとしたため、トップのロズベルグから18秒、ひとつ前のウエーバーからも12秒離されるタイムが記録に残っている。
 シルバーストンでのシェイクダウンの結果から新たにパーツを開発、アップデートされたVR-01だったが、セッション開始直後のドライの時間帯で走れなかったため、タイムは他チームから大きく離される形となった。また、翌日のテストに備えるために5周のみの走行でテストを終えている。

「今日はインスタレーションラップを数周行うのみだったが、車両には何も問題は起きなかった」とテクニカルディレクターのニック・ワース。「新パーツが昨日の夜遅くに届いたので、チームのスタッフは徹夜となってしまった。今日はウエットとなってしまったため、そのリスクを負ってまで走ることはやめた」
 グロックは「こうしてクルマをドライブしに戻ってこられるのはうれしいこと。まだまだ日数が少ないけど、こうしてここまで経験したことには勇気づけられる。最初のテストにも関わらず、信頼性の問題は起きなかったからね。徹夜してがんばってくれたチームのみんなには感謝したい、今日はよく寝られると思う。明日はペースアップして作業を進めていきたい」と翌11日のテストに期待を寄せている。

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