F1第5戦スペインGPの決勝が現地9日、バルセロナのカタルニア・サーキットで行われ、レッドブルのマーク・ウエーバーがポール・トゥ・ウインで今季初優勝を飾った。2位はフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)、3位にはセバスチャン・ベッテル(レッドブル)が入った。BMWザウバーの小林可夢偉は12位完走だった。

 決勝日のカタルニアは晴天に恵まれ、気温も20度、路面温度は35度と絶好のレース日和となった。スタート前のグリッドは4台がグリッド降格のペナルティのため後方の順位が入れ替わり、ロータスのヘイキ・コバライネンもレース直前になってガレージにマシンが戻されている。

 レースは、最前列に並んだレッドブル2台がスタートを決め、ウエーバー、ベッテルの順でレースをリードすると、トップのウエーバーがファステストラップを刻み徐々にベッテルとのギャップを拡げて、10周目には3秒のリードを築いた。
 一方、後方では3番手ルイス・ハミルトン(マクラーレン)、4番手アロンソ、5番手ジェンソン・バトン(マクラーレン)、6番手ミハエル・シューマッハー(メルセデスGP)はポジションを守ったが、ニコ・ロズベルグ(メルセデスGP)は順位を落とし、代わってエイドリアン・スーティル(フォース・インディア)とハイミ・アルグエルスアリ(トロロッソ)がそれぞれ8、9番手に浮上。10番手スタートの可夢偉はスタートこそ決めたものの、スタート直後の3コーナーでロバート・クビカ(ルノー)と軽く接触し、バランスを崩した間に後続に呑み込まれて15番手まで後退してしまう。

 レースリーダーのウエーバーは10周目以降もリードを拡げ、17周目に1回目のピットインを行うとタイヤをハードタイヤにチェンジ。トップのままレースに復帰する。一方、ウエーバーの前にピットインした2番手ベッテルはピット作業に手間取り時間をロス。すると、それまで唯一レッドブル勢に食い下がっていた3番手ハミルトンにピットアウト後の1コーナーで並ばれ、あっけなく2番手の座を明け渡してしまった。

 1回目のピット作業がほぼ終わると、ウエーバーと2番手ハミルトンの差が約9秒と大きく拡がり、バトンを交わして5番手に上がったシューマッハーもいっこうにタイムが上がらず、結果5番手以降のドライバーは25周目の時点でトップから30秒以上も離されてしまう。

 66周のレースが折り返しを迎える頃にはすでにウエーバーのリードは盤石なものとなり、その後のウエーバーはレースをコントロールしていく。また2番手ハミルトンと3番手ベッテルの差も2秒のギャップを保ったまま変わらず、その後ろに4番手アロンソがやや遅れて続くといったかたちとなる。5番手シューマッハーは一時バトンの攻勢にさらされるが、シューマッハーも巧みなライン取りでチャンピオンの先行を許さず。そうしてレースは後半へと向かった。

 レース終盤の55周目、3番手を走っていたベッテルが突然バランスを崩してグラベルに飛び出すと、そのまま緊急ピットインを敢行。ベッテルはタイヤを換え無事コースに復帰したものの、アロンソにかわされて4番手へと後退する。ベッテルのマシンはブレーキにトラブルが起きたようで、その後はエンジンブレーキも使ってチェッカーを目指す羽目となった。
 するとチェッカーまで残り1周、今度は2番手走行のハミルトンが高速の3コーナーで左フロントタイヤがバーストするかたちでそのままウォールにヒット、走行不能となり、最後の最後でアロンソが2番手に浮上。表彰台を失ったはずのベッテルも再び3位に返り咲くこととなった。

 一方、トップのウエーバーは後続のトラブルをよそに無事にチェッカーを受け、今季初優勝を達成した。アロンソは地元ファンの大歓声に迎えられ2位でフィニッシュ。3位ベッテル。シューマッハーが復帰後の最高位となる4位に入った。小林可夢偉は12位で念願の初完走を果たしたものの、期待が高かっただけにやや悔やまれる結果となった。

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