レグ5 バターバンク~プノンペン

 8月14日、アジア・クロスカントリー・ラリー2014のレグ5が行われた。バターバンクを出発し、プノンペンを目指すレグ5に、FLEX SHOW AIKAWA RACINGの1号車(#14)トヨタ・ランドクルーザー・プラドと2号車(#23)トヨタ・FJクルーザーも臨んだ。ヒロミの駆るプラドは、現在ガソリンクラスの首位につけている。

 カンボジアラウンドもいよいよ終盤。レグ5は首都プノンペンを目指す200km越えのSSとリエゾンで構成される。アンコールワット付近の乾燥した路面に加え、タイのようなマッドセクションも有する、後半の山場となるコースである。

 前日のレグ4が半分キャンセルとなった為、マシンのメンテナンスやドライバーのリフレッシュに充分な時間を取ることができたのは、チームにとってプラスとなった。

 バターバンクから20kmほどのリエゾンを走り、スタート位置へ。全レグ共通だが、モトクラスはスタートしており、安全マージンの40分を待ってからの、オートスタートとなる。

 レグ3全セクション、レグ4前半のキャンセルでトータルタイムは再集計中だが、ヒロミのドライブする14号車は当初の不具合もリペアし、安定感のある走りで順位を上げつつある。23号車に関しても各部ダメージが出始めているが、現場でできるリペアは完了し、万全の体制で挑むこととなった。

 コース途中のジャングル区間までは前にクルマがいると、ホワイトアウトして全く見えないほどの細かいサンドの上を走ることになる。本日も雨は一度も降らず、かなり乾燥した路面コンディション、そして連日の刺すような日差しの中で、バターバンク付近の村からのスタートした

 前日のレグで順位が入れ替わった14号車はT1Gガソリンクラスのトップでスタートする。本日も時速100kmオーバーでの高速コース、道幅が狭く、ギャラリーの多い、砂埃が舞うコースでオーバーテイクするのは至難の技だ。

 チェックポイントスタートしてから3km地点でそのアクシデントは起こった。長い直線からの右コーナーの立ち上がりは、ゆるい登り坂で、ブラインド気味に左コーナーが現れる。非常に高い速度域な為、減速が間に合わず14号車がまさかのコースアウトをしてしまう。その先には3m以上下に用水路。ギリギリで車体は止まり、後続の23号車とエスクードにレスキューしてもらう。

 リカバリー後、ヒロミは遅れを取り戻す鬼神の走りで狭いジャングル区間でオーバーテイクショーを披露。ガソリンクラスのトップでチェックポイントに帰還した。コースアウトの一報は、幸い大事には至らなかったもののチーム全体が凍りつく瞬間だった。

 23号車は、14号車リカバリー後快調に走行していたが、まさかの燃料ホースの脱落でエンジンストップ! その場で応急処置を施し20分遅れでチェックポイントに到着した。チームの連携プレイが功を制したレグ5。その晩のディナーではインカー動画を観るなど一体感が生まれた結果となった。

 いよいよ最終章レグ6。暑いドラマもあと一つだ。

1号車(14号車)ドライバー:ヒロミ コメント
「全体的にいいペースで走れていたが、急な左コーナーでブレーキングが遅れで曲がりきれずコースアウトした時は終わったと思ったよ。23号車が居てくれてよかった。リカバリー後はかなり楽しんでバトルができた。路面がドライすぎてオーバーテイクの瞬間は前が全く見えない状態だったけどね。本当無事でよかった」

2号車(23号車)ドライバー:飯島祐一 コメント
「ハイスピードが続いたからマシンにストレスがかかってたのだと思う。エンジンストップは正直驚いたけど、コドラの深野君が冷静に対応してくれるのでなんとか乗り切れたね。楽しめたよ」

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