全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第1戦は18日、37周の決勝レースが行われ、ポールポジションからスタートするもジョアオ-パオロ・デ・オリベイラ(Mobil1 IMPUL)に逆転されていた小暮卓史(NAKAJIMA)がピット戦略で再逆転、開幕戦勝利を飾った。
好天の下、スタンドに詰めかけた観衆が見守る中スタートを迎えたフォーミュラ・ニッポン開幕戦。フォーメーションラップでは大嶋和也(PETRONAS TOM'S)がストールし最後尾にまわり、石浦宏明(Team LeMans)がピットスタートからレースを戦う。
迎えたスタート。ポールポジションの小暮卓史(NAKAJIMA)がやや遅れる一方、2番手グリッドからスタートしたジョアオ-パオロ・デ・オリベイラ(Mobil1 IMPUL)が抜群のスタートでトップへ浮上! 3番グリッドのアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)も遅れ、4番手スタートの伊沢拓也(DOCOMO DANDELION)が3番手で続く。後方では平中克幸(KCMG)とケイ・コッツォリーノ(Team LeMans)が接触したか、どちらもマシンを止めることとなってしまった。
トップのオリベイラは序盤からハイペースで逃げ、小暮が追走するが、その後方では伊沢とロッテラー、さらに塚越広大(HFDP)を交えた3番手争いが展開される。また、井出有治(MOTUL 無限)と山本尚貴(NAKAJIMA)、平手晃平(Mobil1 IMPUL)の8番手争いも激しく展開される。
今回は1回以上のタイヤ交換が義務づけられており、各車の戦略に注目が集まったが、ピットスタートの石浦がまずは先陣を切ってピットへ。その後大嶋が続くが、この2台はピット作業に時間がかかってしまう。さらに、13周目に井出が、14周目にはロッテラー、山本がピットイン。DOCOMO DANDELION勢も早めのピットを行った。この中で、井出が右側のみのタイヤ交換を行いピット時間の短縮を図っている。
一方、トップを走るオリベイラ、そして2番手小暮、さらに3番手まで浮上した平手はピットのタイミングを遅らせる作戦を採ってきた。その一方で、早めに交換してきた中ではロッテラーがファステストラップを叩きだしながら上位をうかがう展開に。早めに入った組のペースと遅らせてきた組のタイミング、時間がどうなるかが注目された。
37周のレースのうちの27周目、首位オリベイラが“後半ピット組”の先陣を切ってピットイン。その翌周には2番手小暮、3番手平手がピットに向かう。オリベイラ、小暮はいずれもリヤのみ交換という作戦を敢行したが、その中でもNAKAJIMA RACINGは小暮を9.8秒の早業で送り出し、小暮がオリベイラの前へ! 4輪交換した平手はロッテラー、伊沢、デュバルの後方6番手でレースに復帰することとなった。
ピットアウトした小暮の背後にはすぐにオリベイラがピタリとつき、わずか10周ほどのスプリントバトルが勃発! 1秒前後の間隔で緊迫の終盤戦が展開されるが、小暮はリードを守りきりそのままチェッカー! 2位にオリベイラ、3位には快調なペースで最後はオリベイラの背後まで詰め寄ったロッテラーとなった。
一方、4位には6番手からアグレッシブなオーバーテイクショーを展開しDOCOMO DANDELIONのふたりをパスしてきた平手が入った。5位に伊沢、6位に昨年王者のデュバルという順位でチェッカーを受けている。