GP2第3戦モナコでのレース2の模様をレポート。決勝1に続いてクラッシュによるセーフティカー導入となったが、僅差の渋滞レースもモナコでは抜きどころがなく、ステファン・リチェルミがトップチェッカーを奪った。
レース2は土曜午後、F1の予選後に行なわれた。F1同様に快晴のコンディションの下、どのマシンもタイヤ無交換で走り切るためにソフトタイヤでスタートに臨む。
スタートでは2番グリッドのリオ・ハリヤントが好加速でポールのステファン・リチェルミに並びかけるが、リケルミが牽制しホールショットを奪う。逆にハリヤントは行き場を失い、3番手にいたセルジオ・カナマサスにポジションを奪われてしまった。3番グリッドスタートのアルトゥール・ピックはチームメイトの佐藤公哉と同じようにハンドクラッチの扱いが上手くいかず、ジョニー・チェコットに先行を許して5位までポジションを落とした。佐藤も15番グリッドから17位にポジションを落とし、20番グリッドの伊沢拓也は好加速でチームメイトの後方16位に浮上した。
そこからはタイヤをいたわりながら走るリチェルミの後方にカナマサスがピッタリとつけ、3位ハリヤント以下は少しずつ離されていく。抜きどころの少ないモナコだけにオーバーテイクはほとんど見られず、秒差の間隔で各車が前走車のタイヤのデグラデーションを待ちながら走行を続けるが、ブレーキトラブルを抱えながら走っていた伊沢が13周目にピットインしてそのままリタイヤを選んだ。
それと前後して14周目にターン1の出口でアルテム・マルケロフがバリアにクラッシュして破片をまき散らし、セーフティカー導入。これによってタイム差が詰まった隊列は、17周目のレース再開からさらに僅差のバトルとなり、特に4位チェコットから16位までは各車が0.5秒前後という長い大渋滞の走行となった。
それでも順位の変化はほとんど見られず、残り3周を切ったところでリチェルミがスパートをかけてそのままトップでチェッカー。昨年のステファノ・コレッティに続き、地元モナコ出身ドライバーのモナコラウンド制覇となった。2位カナマサス、3位ハリヤントもそのままの順位でチェッカーを受け表彰台を獲得した。
佐藤は前のストフェル・バンドールンを最後まで追い続けたものの、大渋滞の中でオーバーテイクの糸口を見出すことができずに14位のままレースを終えた。
F1第7戦カナダGPではGP2は開催されず、次は約1カ月のインターバルを置いてGP2初開催となるオーストリア・レッドブルリンクでの戦いとなる。