2014 GP2 シリーズ第3大会(モナコ)レビュー
佐藤公哉、初のモナコは15位と14位
■大会概要
開催国:モナコ 開催地:シルクイ・ド・モナコ(一周:3.340km) 開催日:2014年5月22日(木)〜24日(土)
■大会結果
5月22日(天気:曇り/路面:ドライ)練習17番手
5月22日(天気:薄曇り/路面:ドライ)グループ A:9 番手(総合16番グリッド) 5月23日(天気:晴れ/路面:ドライ)レース1決勝15位
5月24日(天気:快晴/路面:ドライ)レース2決勝14位
■モナコ大会レビュー
2014年のGP2シリーズでカンポス・レーシング(Campos Racing)に所属する佐藤公哉(さとう きみや/24歳)は、F1世界選手権第6戦モナコGPと併催される第3大会へ同チームから臨みました。本大会で供給されるタイヤは、プライム側がソフト(イエロー)でオプション側がスーパーソフト(レッド)でした。
5月22日午後0時10 分からの練習走行(45分間)ではソフトを履いてコースイン、初めて走るコース習熟のため連続走行を実施しました。クルマの調整を経て、セッション終盤にはスーパーソフトに履き替えて予選を想定したタイムアタックを敢行、自己ベストタイムは1分23秒353の17番手でした。モンテカルロ市街地コースは全⻑3.340kmと短く全幅も狭いことから、今回の予選は参加26台を2組に分けて実施されました。奇数の車両番号はグループA、偶数の車両番号はグループB。「27」の佐藤はグループAで、午後4時15分からの予選(16分間)に挑みました。渋滞を避けるためコースインを遅らせ、タイムアタックとクールダウンを繰り返し、7周目に自己ベストタイムの1分22秒588 を記録してグループ9番手、総合17番手となりました。上位ドライバーにペナルティが科せられた結果、決勝レース1の16番グリッドを獲得しました。
5月23日午前11時18分に始まった決勝レース1(42周・最大60分間)、佐藤は最初に新品のソフトを履いてレース終盤に中古のスーパーソフトへ履き替える作戦で臨みました。しかし、クラッチの不調もあってスタートは出遅れ1周目終了時点で21番手へ後退。直後に1回目のセーフティカー(SC)が導入され、5周目にSC退去となりました。上位陣でピットストップやリタイアがあり、12周終了時点で13番手まで浮上。直後にヘアピンで接触事故があり、レースは赤旗が掲示されて約20分間中断されました。SC先導でレースが再開されるとしばらく膠着状態が続きましたが、上位ドライバーにペナルティが科されたこともあり20周目には12番手へ浮上。25周目にはシケインで単独事故が発生して2回目のSC導入となりました。ここで佐藤を含む多くのドライバーがピットストップ、タイヤをソフトからスーパーソフトへ履き替えました。その後も接触事故が発生して荒れに荒れたサバイバルレースは予定の42周を待たず、60分を経過した直後の40周でチェッカードフラッグが振られ、最後まで走り抜いた佐藤は 15位となりました。
5月24日午後4時13分に始まった決勝レース2(30周・最大45分間)には、新品ソフトを履いて臨みまし た。再びクラッチの不調でスタートは出遅れ、1周目終了時点で 17番手へ後退。15周目に単独事故処理のためSC導入となりましたが、決勝レース1ほど荒れた展開にはなりませんでした。レースも終盤を迎えると4番手のドライバーのペースが極端に落ち、21番手までの約11秒の間に18 台がひしめく接近戦となりましたが、佐藤は14位でチェッカードフラッグを受けました。今後もご支援とご声援をよろしくお願い申し上げます。
■佐藤公哉(カンポス・レーシング・ドライバー)のコメント
「初めてのモナコだったので、クラッシュしないよう、無事故で一日を終えられるように気を付けました。練習走行ではまずゆっくりゆっくりと。コースに慣れるための時間をもらっていましたし、13、14周ぐるぐると走り続けていいからとチームからは言われていました。予選は練習走行で悪かったところを直し、僕自身も1分21秒台を目指して攻めに攻めたつもりでしたが、身体で感じる時間とラップタイムに少々ギャップがありました。トンネルを抜けて、ヌーベルシケイン、タバコ屋コーナー、プールサイドあたりまで、自分がやるべきことは頭で分かっていますが、実際に運転するといまひとつ足りませんでした。低中速コーナーのトラクション不足も、練習走行からあまり改善されていませんでした」
「ここまでツイていないと腹も立ちません。決勝レース1は、スタート直後の事故でセーフティーカーが出ることは織り込み済みで問題ありませんでした。しかし、その後のレッドフラッグや再度のセーフティーカー導入は予想外でした。一連のアクシデントで、僕らの採った行動のすべてが裏目に出ました。クルマのトラクション不足は解消された反面、タイヤに負担をかけないとペースを上げられなくなり、予想以上の速さで消耗が進みました」
「ハンドクラッチのつながるポイントが不安定という症状が治らず、決勝レース2でもスタートは出遅れました。前にペースの遅いクルマが居たので渋滞し、最後までマクラーレン育成ドライバーのリヤをにらみ続けるだけで終わってしまいました。3日間を振り返ると、結果は非常に不満です。クルマで言えば、トラクションやクラッチの問題を早く解決しなくてはいけません。自分自身で言えば、次の大会までの約3週間、トレーニングを怠らないように努めなくてはいけません」