スーパーGT300クラスで、2014年に谷口信輝/片岡龍也組がドライバーズチャンピオンを獲得したGOODSMILE RACING & TeamUKYOは23日、2015年の参戦体制について発表し、参戦マシンをBMW Z4 GT3からメルセデスベンツSLS AMG GT3にスイッチすると発表した。
『ファンとともに走るレーシングチーム』というコンセプトで、長年BMWを使用(2010年はポルシェ)してきた初音ミクGTプロジェクト。しかし2014年に向けて、それまでGSR&Studie with TeamUKYOだったチームから6年間ともに戦ったスタディが分かれ、BMW Sports Trophy Team Studieとして参戦。GOODSMILE RACING & TeamUKYOは“新チーム”という形で参戦していた。
そんな2014年は、継続してBMW Z4 GT3を走らせ開幕2連勝。中盤もポイントを重ね、同ポイントながら谷口/片岡組がGT300クラスのドライバーズチャンピオンを獲得。ただ、チームチャンピオンは平中克幸/ビヨン・ビルドハイムを擁したGAINERに譲っていた。
2015年に向けてGOODSMILE RACING & TeamUKYOでは、GT300クラスではまだ誰も成し得ていないシリーズ連覇を狙いTeamUKYOとのコラボレーションを継続し、片山右京監督の下、谷口信輝/片岡龍也というコンビを継続すると発表した。14年の体制から、唯一変わっているのは大橋逸夫ゼネラルマネージャーの役職が、コミュニケーションディレクターと変更されているくらいだ。
しかし、驚きとなったのはその後に発表された参戦マシンだ。長年使用してきたBMWから、ライバルのGAINERも使用しているメルセデスベンツSLS AMG GT3にスイッチするという。ゼッケンはドライバーズチャンピオンがつけることができる『0』を使用。タイヤはヨコハマ、車両名は『グッドスマイル 初音ミク SLS』となる。メンテナンスは15年も名門RSファインが手がける。
「布陣は2014年と変わらず、右京監督の下で谷口、片岡というコンビを揃えて、同じ体制で連覇を目指して臨んでいきたいと思います。2014年はダブルタイトルというのが唯一逃しているところではありますが、15年はそこも含めて徹底的に勝利にこだわって戦っていきたいと思います」と語ったのは、チームの安藝貴範代表。
今回のマシン変更について、谷口は「期待しています。以前スーパー耐久でもこのSLSは使っていたので特性やポテンシャルは良く知っているつもり。今のBoP(性能調整)を考えると悪くないと思いますし、ライバルであるGAINERと、このマシンで真っ向勝負をしてやろうと思います」と語る。
また、谷口同様SLSの経験がある片岡も「ここ数年のBoPをみていても、このSLSがポテンシャルが高いのは間違いない。いろんな選択肢がある中でこのクルマにたどり着きました。今年獲れなかったチームタイトルを獲るための選択です」とその変更の理由を語っている。
今回の体制発表と同時に、ファンにとっては気になるチームの公式キャラクター『レーシングミク 2015.ver』も発表された。15年のイラストレーターは、ゲームなどでキャラクターデザインを手がけてきたタイキ氏が“姫騎士”というコンセプトで描いたもの。マシンデザインはアニメ『交響詩篇エウレカセブン』のグラフィックデザイン等を手がけた草野剛氏、プロジェクト全体のアートディレクションは昨年に続きコヤマシゲト氏が担当する。
このマシン変更により、14年のランキングトップ2がいずれもメルセデスで戦うことになった。ライバル陣営とともに、2015年のGT300はどんな展開となるのか……。楽しみにしたいところだ。なお、マシンカラーリングについては2015年2月のワンダーフェスティバルで公開予定。これまでとはまったく異なる、ホワイトにレッドを差し色として入れた幾何学模様を基調としたものになりそうだ。
GOODSMILE RACING & TeamUKYO 2015年度チーム体制
エントラント名:GOODSMILE RACING & TeamUKYO
エントラント代表:安藝貴範(株式会社グッドスマイルレーシング代表取締役)
監督:片山右京(TeamUKYO 代表)
ドライバー:谷口信輝/片岡龍也
メンテナンス:RSファイン(河野高男代表)
コミュニケーションディレクター:大橋逸夫
チームマネージャー:竹沢友美
イラストレーター:タイキ
マシンデザイン:草野剛
アートディレクター:コヤマシゲト
参戦車両
ゼッケン:0
車両名:グッドスマイル 初音ミク SLS
参戦車両:メルセデス・ベンツ SLS AMG GT3 MY15
タイヤ:ヨコハマ