スパ24時間レースでニッサンGTアカデミー卒業生チームが表彰台に
ブランパン耐久シリーズ 第4戦レポート
7月28日 ベルギー、スパ・フランコルシャン
・ブランパン耐久シリーズのPro-AmクラスでニスモアスリートたちがTOP3フィニッシュ
・ニッサンGTアカデミー・チームRJNは、年間ランキングで首位を堅守
・スパ24時間で、ウォルフガング・ライプが地元ベルギー人最上位フィニッシュ
7月28日に行われたスパ24時間で、ルーカス・オルドネス、ヤン・マーデンボロー、ウォルフガング・ライプ、ペーター・ピッツェーラと、ゲーマー出身であるGTアカデミーの卒業生だけでドライバーを務めた#35 NISSAN GT-R NISMO GT3が、Pro-Amクラスで3位とポディウムフィニッシュ。総合でも7位に入る健闘を見せました。
この結果により、ドライバー年間ランキングでは、オルドネス、ピッツェーラ、アレックス・バンコムと、日産勢がトップ3を独占しています。また、ニッサンGTアカデミー・チームRJNもチーム年間ランキングの首位を堅守しました。
2013年のスパ24時間は、スタートした約半数のマシンがリタイアする大波乱のレースとして、記憶に残るものとなるでしょう。#32 G-DriveのNISAN GT-R NISMO GT3は、最初の1時間のうちに衝撃的なリタイアを遂げることとなりました。絶妙なスタートで定評のあるバンコムは、グリッド15番手からスタートすると、2ラップのうちに8位までジャンプアップ。しかし13周目、オールージュに差し掛かったところでマシンの左リアに異常を感じた後、ラディオン(コーナー)のタイヤバリアに突っ込んでしまいます。バンコムに怪我はなく歩き出しましたが、#32 GT-Rのレースはここで終了となりました。マシンはこの後、英国に送り返し、原因究明が行われる予定です。
#35 ‘YouTube’ NISSAN GT-Rは、計画通りに24時間のレースを走り抜きました。夜間に不運に見舞われたため首位から3周遅れとなり、マシンをドライブするニスモアスリートたちにとっては踏ん張りどころを迎えました。予定していたブレーキ交換は順調に完了しましたが、マシンがコースに戻る時にセーフティカーが入ってしまい、ライバル陣はこの合間にブレーキ交換を行うことができたのです。予測できない事態でしたが、これによりチームのレース展開はさらにハードなものとなりました。
#35 GT-Rのチェッカーを受けたのは、複雑な心境でこの週末を迎えたオルドネスでした。「今週は、気分的にとても厳しい状況でした」とオルドネスは語りました。
「叔父のカルロスが亡くなり、母国のスペインでは鉄道の脱線事故で大惨事が起こりました。叔父は僕のレース活動を熱心に応援してくれていたので、この週末は叔父のことが頭から離れませんでした。もちろん、このポディウムフィニッシュは叔父に捧げたいと思います。日産に、GTアカデミーに、そしてこのプロジェクトに関わるすべての方々にとって、素晴らしいリザルトとなりました。全員がGTアカデミー卒業生というドライバー陣で総合7位に入ったという結果は、GTアカデミーの実力を証明するものですし、大変誇りに思います。今回は大変厳しいレースでしたし、フィニッシュできたマシンが50%しかいないということからも、それが分かります。私は、このチーム、日産と共に戦ったこのマシンでのドライビングをとても楽しむことができました」
ヤン・マーデンボローは、この週末、スパで大活躍をみせました。前日行われたフォーミュラ3では2位に入り、その翌日にはスパ24 時間でもポディウムに上がったのです。「マシンはパーフェクトでした」とマーデンボロー。
「ピットストップの作業は素晴らしかったし、ドライバー陣はみんなが落ち着いた走りで賢明なレースをしたので、安定した流れができました。再びGTカーに乗ることができて、うれしかったです。この週末を迎えるまで、F3とGTの両方を乗りこなすことに少し不安を感じていましたが、GTマシンに乗るのは我が家に帰ってきたような気分でした。でも、マシンの乗り換えに慣れるまでには、もっと修行が必要です!」
「私にとって、大きなレースでのポディウムフィニッシュは初めてですが、それをスパで果たせることができたのは最高の気分です」と語るライプは、このレースで地元ベルギー人最上位につけました。「とても難しいレースでしたし、不運がなければクラス優勝も狙えたと思いますが、24時間のレースでは何が起きても不思議ではありません。このトロフィーを手にすることができたことを、とても誇りに思います」
「懸命な努力が報われたことを実感でき、最高の気分です」とピッツェーラは語ります。
「GTアカデミーで優勝し、日産のドライバー育成プログラムに参加するようになってから、自分の能力を最大限に引き出すために必死でがんばってきました。今回ポディウムフィニッシュを果たせたことで、自分たちがやってきたことが間違いではなかったと証明されました」
「モーターレースは過酷で、争いの激しいスポーツです。50%近くがフィニッシュすることもできなかったという事実が、ニッサンGTアカデミー・チームRJNの懸命な努力を証明しています」と語るのは、日産のグローバルモータースポーツディレクター、ダレン・コックスです。「GTアカデミーの卒業生からの朗報は、もう何度も聞いていますが、今回の成果はそう簡単に果たせるものではなく、我々にとっても、ひときわ感慨深いものです」