アメリカのホンダ・パフォーマンス・デベロップメント(HPD)が、2015年に向けてクーペボディのLMP2シャシーを製作する計画があるとHPDのテクニカルディレクター、ロジャー・グリフィスが語っている。
アメリカン・ホンダモーターのモータースポーツを担うHPDは、これまでLMP1、LMP2用シャシーのHPD ARX(アキュラ・レーシング・エクスペリメンタル)シリーズをリリース。ホンダエンジンを搭載し、アメリカン・ル・マンやWEC世界耐久選手権に参戦するカスタマー向けに販売してきた。
HPDシャシーは主要レースで多くの実績を残してきたが、HPDのロジャー・グリフィスは「我々はクーペを生産したいと考えており、デザインは順調に進んでいる。全体的に見ても計画は進めなければならない」と語っている。
グリフィスは、HPDにとってライバルコンストラクターとも言えるオレカとOAK/オンローク・オートモーティブが昨年クーペの生産計画を発表したのを受け、クーペボディのLMP2カーの生産が重要だと感じているという。
「オレカはすでに新車を生産すると発表しているし、OAKも同様だ。当然、3〜4年落ちの設計の車両を販売するのは困難になってくるだろう」とグリフィス。
「こうしたLMP2プロジェクトを展開するジェントルマンドライバーの多くは、オープントップのマシンをドライブしたがらない。我々はマーケットを制限したくないんだ」と、既存のカスタマーからのクーペへの関心により、プロジェクトが前進していることを示唆した。
「我々は本物の関心を必要としているんだ。我々既存のカスタマーの関心は非常に熱心だが、マシンの製作前に購入の注文を受けるかどうかはまだ決めていないんだ」
HPDの新たなクーペボディは、これまでのHPD ARXシリーズ同様イギリスのワース・リサーチによって設計される予定で、2017年までLMP2ルールは現行のものが使用されるものの、2014年からのLMP1の安全規則が適用されるだろうとの考えから、2014年のLMP1と同様のモノコック構造で設計されるという。
WEC、ELMS、AsLMS、そしてUSCCと幅広く活用できるLMP2クラスはここ数年活況を呈しており、オンロークはオープンをモーガン、現在開発中のクーペをリジェの名で販売予定。またオレカ、ザイテック、HPDのほかロータス、今季参入の童夢など多くのコンストラクターが参戦する。エンジンでも多くのカスタマーを抱えるニッサンをはじめジャッドやホンダ、今季本格参入のマツダなどがカスタマーを求めている。