昨年までスーパーGTのニスモのワークスドライバーとして、長年日本で活躍してきたミハエル・クルムが、コリン・コレス率いるドイツのチーム・コレスからアウディR10 TDIでル・マン・シリーズ(LMS)へ参戦することが決まった。
チーム・コレスは、かつてスパイカーF1チームを率い、現在DTMでアウディA4を走らせるフューチャーコム-TMEの監督を勤めるコレス代表のチーム。2008年にル・マン24時間で優勝したR10 TDIを含む2台をアウディワークスから譲り受けての挑戦でとなる。一方のクルムは、2002年ル・マン24時間でアウディR8で参戦して総合3位に入賞した実績を持っていることから、チームの期待を担っている。
ドイツのユーロスピードウェイでテストを終えたクルムは、「このサーキットは初めて走った。何よりもこんなに性能の良いマシンで走ることができてとても楽しかったよ」とコメントを寄せている。
今季のクルムは、この他にLMSとル・マン24時間に参戦するようだが、さらにFIA GT選手権にニスモの開発ドライバーとしてGT1クラスのニッサンGT-Rで数戦に参戦することが発表されている。ニッサンは、FIA GTシリーズが2010年から世界選手権に変更されることになり、95〜96年に参戦したル・マン24時間のスカイラインGT-R LMから実に13年ぶりにGT1クラス用のマシン開発を行う。ヨーロッパへ10年ぶりにレースの活動拠点を移すクルムは、新たなカテゴリーへの大きな挑戦に喜びを噛み締めているようだ。