5月8日(土)、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットでは、いよいよLMSシリーズ第2戦、スパ1000㎞の予選が行なわれた。

 GTクラス20分間、LMP1クラス20分間で行なわれた予選で、PPを獲得したのは、ペドロ・ラミー/セバスチャン・ブルデー/サイモン・パジェノー組のプジョー3号車。これにティモ・ベルンハルト/ロマン・デュマ/マイク・ロッケンフェラー組のアウディ9号車、フランク・モンタニー/ステファン・サラザン/ニコラ・ミナシアン組のプジョー2号車と続く。

 以下、オリビエ・パニス/ニコラ・ラピエール/ロイック・デュバル組のオレカ・プジョ-4号車、マルセル・ファスラー/アンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエ組のアウディ8号車、ディンド・カペッロ/トム・クリステンセン/アラン・マクニッシュ組のアウディ7号車、マルク・ジェネ/アレックス・ブルツ/アンソニー・デビッドソン組のプジョー1号車という結果になった。ちなみに、先週行なわれたトレーニングキャンプで脇腹を傷めたプジョー2号車のニコラ・ミナシアンは、大事をとって、今週のレースには参加しないことが予選後に正式発表された。

 晴れの予報が出されていたスパだが、朝を迎えた段階では、まだ曇り空。午前中は冷え込みも相変わらずで、気温8度/路面温度9度というコンディションの中、午前9時45分から3回目のフリー走行がスタートする。このセッションでは、いよいよロイック・デュバルが4号車、ブノワ・トレルイエが8号車に最初から乗り込み、セッション開始とともにピットを後にした。しかし、わずか半周で、トレルイエを不運が襲う。燃料ラインのフィッティングの一部が緩み、燃料がすべてこぼれ出てきたため、トレルイエはアウトラップですぐにピットに戻り、メカニックが修復作業に入る。ディーゼル燃料だったからこそ難を免れたが、ガソリンだったら非常に危険な事態に陥るところだった。

 その後、燃料の拭き取り作業に時間が掛かり、トレルイエがコースに戻ったのは、残り時間が20分を切ってから。結局、まともに周回できたのは数周だった。しかし、ソフトの中古タイヤに燃料が重い状況ながら、トレルイエは毎周着実にタイムアップ。手応えはつかめたようだ。一方、デュバルはこのセッションで10周前後の周回。途中、ニュータイヤを装着して初めてスパでプッシュした。だが、「トラフィックにつかまってしまい、余りタイムは伸ばせなかったんだ」というところで、クルマを下りた。

 約3時間のインターバルを経て、GTクラスの予選が始まったのは、午後1時50分。途中、マテック・コンペティションのフォードGT・61号車がコースアウト。タイヤバリアに斜めに乗り上げるような形で止まったため、セッションは開始から13分というところで赤旗によって中断される。マシンの回収が終わり、セッションが再開されたのは、午後2時12分。そこから残り10分間というところで、各マシンが仕切り直しのタイムアタックを行なっている。

 これに続き、LMPクラスの予選が開始されたのは、午後2時29分から。ワークス勢でまず最初にコースに出たのは、ティモ・ベルンハルトがドライブしたアウディ9号車。トム・クリステンセンの7号車、アンドレ・ロッテラーの8号車がこれに続いて、コースに入った。その後、コースに入ったのは、セバスチャン・ブルデーが駆るプジョー3号車とアレックス・ブルツが駆るプジョー1号車。この中で、真っ先に2分を切ってきたのは、アウディ9号車。9号車はアタック2周目にもタイムを伸ばし、1分秒台に突入する。ロッテラーの8号車も、これに続いて1分59秒台に乗せてきた。

 アウディのエース・7号車は、アタック中にLMP2のマシンと軽く接触してしまい、その後思うようにタイムを伸ばすことができず、1分59秒989に留まった。一方、セッション開始から8分という時点で、大きくタイムを伸ばしてきたのはプジョー3号車。ブルデーがいきなり1分57秒884というタイムを叩き出して、トップに立つ。その後、セッション開始から10分が過ぎたところで、ニコラ・ラピエールのドライブするオレカのプジョー4号車、ステファン・サラザンのドライブするプジョー2号車がタイムアタックに入るが、両車ともにトラフィックにつかまったためか、1分59秒台がベスト。3号車&9号車のタイムを上回ることはかなわず、2号車が3番手、4号車が4番手となっている。

 明日の決勝では、また不安定な天候になるとの予報が出されているが、6時間という長丁場のレースを終えて、最後に笑うのは誰なのか。日本に関係するドライバーとしては、アウディ8号車でロッテラーがスタートドライバーを務めるが、スーパーGTと同様のスーパースタートが見られるのかという点も、気になるところだ。

■セバスチャン・ブルデー
 プジョーチームのために、PPが獲れて、とてもハッピーだよ。僕の予選ラップはとてもクリアだった。でも、フリー走行の間には、余り予選のシミュレーションをやる時間がなかったから、簡単ではなかったね。3人でクルマをシェアしているから、ドライブする時間も限られているし。だから、僕らが予選で上手くやれるかどうか確信はなかったんだけど、上手く行ったと思う。クルマのバランスもとても良かったよ。できることなら、これが明日のレースを予見させるものだといいなって思う。ただ、明日はまたコンディションが変わってしまいそうだから、その中でもベストを尽くしたいね。

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