PACIFIC RACING TEAM「NAC攻殻機動隊ARISE DR ポルシェ」
AsLMS富士でクラス3位表彰台獲得
アジアンルマンシリーズRd2富士
#9 NAC攻殻機動隊ARISE DRポルシェ レースレポート
9月21日[土] 予選/晴れ/コース:ドライ/気温29℃ 路面42℃
前日のテスト走行で、1'40.82の好タイムを出し、更にミシュランタイヤ用のセットアップを進め期待を持って予選に挑んだ。結果は、坂本選手がアタックし、予選開始早々に1'41.593のタイムを出し、一度ピットイン後再度アタックを行ったが、タイムを更新することは出来ずクラス6位となった。
テスト走行の段階ではフロントローを狙える手ごたえをつかんでいた為ドライバー、チーム共に落胆した雰囲気に包まれてしまったが、決勝に向けて気持ちを切り替えて決勝用のセットチェンジなどを施した。タイムが伸びなかった原因として、予選開始時の路面温度が想定より高く、リアタイヤに負荷の多いポルシェの為、リアタイヤの有効温度を超えてしまい、高速コーナーでのタイム(セクター2)が落ちてしまった。
しかし、今回の予選を通じて、ミシュランタイヤの特性を経験出来た事でチームにとっては、今後に繋がる良いデータが蓄積できた。
9月22日[日]決勝/晴れ/コース:ドライ/気温27℃ 路面40℃
昨日と同じく良い天気で迎えた決勝日、予選で使ったタイヤでの決勝スタートになる為、リアタイヤへの負担が心配されたが、チームとドライバーであらゆる状況にも対応できる作戦と計画を事前に十分検討し意思の統一を図りスタートに挑んだ。
坂本選手が、スタートドライバーを勤め、クラス6位からのスタートで無事ファーストラップを終える事が出来たが、やはり予想どおり、路面温度が高い為タイムを上げる事が出来ず、1'44~45秒台で前車についていく展開となった。しばらく膠着状態が続き、マクラーレンが緊急ピットインをしたため、5位での走行が続いた。各車がルーティーンのピットインを行い始めたが、坂本選手は走行を続けクラス1位まで順位を上げ、40ラップ目にピットイン、横幕選手に交代した。ピット作業は慣れないルマン方式の為、大きな失敗はなかったが、海外チームより若干ロスが有った。
横幕選手は、1'44~45秒台でコンスタントにラップし3位をキープして68ラップ目にピットインし再度坂本選手に交代した。3位でコースに戻れる計算で有ったが、2回目のピット作業で若干手間取り、4位に後退してしまった。
しかし、路面温度が下がりマシンとタイヤのベストな状態になり、ここから坂本選手が1'42秒台連発の怒涛の追い上げを行い、一時は3位を走る#37ガヤルドと約26秒ほどあった差を90ラップ目には約10秒まで縮めピットは大いに盛り上がった。予想ではファイナルラップ近辺でデッドヒートを見せてくれる計算であったが、3位を走っていた#37ガヤルドが予想外のピットインをした為あっけなく順位を上げ92ラップ目に3位に順位を上げた。
残り約10ラップは、無理をしないようにドライバーに無線で指示を出し、再度燃費の確認を行い、チェカーフラッグを待った。レーススタートから3時間が経過し、トップのLMP2の車両にチェッカーフラッグが振られ、しばらく後に坂本選手にもチェッカーフラッグが振り下ろされ無事3位でゴールとなり表彰台を獲得した。
準備期間がとても短い中、複雑なルマン方式のピット作業の練習を繰り返し行ったメカニック達や9月とはいえまだまだ暑い中、長時間ドライブをしたドライバー達の努力の結果、掴んだ表彰台は価値の有る物で有る。表彰台の頂点を掴むにはまだまだ越えるべき壁が多いが、今回の経験や、データを積み重ねて頂点を目指して行きたい。
応援をして頂いた多くの皆様に感謝をいたします。SUPER GTのレースもまだ2戦ありますので今後共応援のほどよろしくお願いいたします。
以下チームコメント
水谷晃エントラント代表
「やっと表彰台ゲッツです!皆さんお待たせしました!! しかもフランスはACO主催皆さんご存知のルマン! そうアジアンルマンシリーズで獲得しました。世界的にも素晴らしい格式のレースで結果を出せた事、皆さんに感謝します。ミシュランタイヤのキャラ違いは複雑なルール環境、SUPER GT300からGTCへ参加したのは僕たちだけで独自のルールもあり苦しみましたがなんとか皆さんの応援も富士まで届きまして結果を残す事ができました。今回は僕もテストドライバーとして参加する事ができたので、この目線でのチーム体制創り、運営も多くの良かったを手に入れました。迷ったあげくに決めたGTCクラスへの参戦は世界の強豪、フェラーリワークス、アストンマーチンワークスに攻殻機動隊として胸をはって戦えたので嬉しい結果です。次はSUPER GT@オートポリス^^チーム一丸となって入賞目指します!」
小藤純一チーフエンジニア
「走行の時間が少なかった為、初めて使うミシュランタイヤのセットアップがベストな状態まで持っていけなかった。SGTで使っているタイヤとは大きくセットチェンジしたが、まだまだ詰められる余地は有ったと思う。ルマン方式のピット作業はとても複雑かつ体力を使うため慣れが必要だと感じた。AFコルセ(フェラーリ)などは流れるようにきれいな作業を行なっていたので、経験の差を感じた。最終ラップ近辺のガヤルドとのバトルを見たかった気もするが、表彰台を獲得できて一安心でした」
坂本祐也
「まずスタートからタイヤをいたわりつつ、順位を少しでもあげようとプッシュしましたが、なかなか順位をあげることができず、歯がゆい気持ちでした。ピットインする5LAP前は、タイヤがきつくしんどかったです。ゆぅさんに代わり良いペースで走ってくれたので、上位進出への希望がみえてきました。第3スティントで再び僕がステアリングを握り、3位表彰台もみえる位置で更にプッシュしました。前との差は20秒あったのが10秒まで縮まり、絶対追い抜いてやるという気持ちでドライブしていました。そこで3位を走っていたマシンがトラブルで戦線離脱し、3位表彰台を獲得することができました。予選があまりふるわなかったので、本当に嬉しいです。応援して頂いた皆さん、チーム関係者の皆さん、本当にありがとうございました。最後に、、3位表彰台とったどーーー!」
横幕ゆぅ
「予定通り第1スティントの坂本選手から、しっかり予定通りの周回でバトンを受取り、そこから毎周毎周、44秒台のペースでコンスタントに走ることができました。練習以上にアンダーステアがきつく、少々乗りにくい感じもあったけれども、なんとかドライバー側でアジャストすることにより、走りきることができました。今回は、自分のスティントの時に4位を走行していて、前のランボルギーニが12秒差でいたので、とにかく猛プッシュして、表彰台への可能性を持ちつつ、もう一度坂本選手にスティントを繋げることができました。その後、坂本選手激走により、ランボルギーニを抜き去り、見事に念願の表彰台にたつことができました。この流れを次戦オートポリスに繋げていきたいと思います。応援ありがとうございました」