スーパーGT第8戦オートポリスは65周の決勝レースが行われ、PETRONAS TOM'S SC430が今季初優勝を飾った。2位はMOTUL AUTECH GT-Rが入ったが、タイトル争いは接近することに。GT300クラスはJIMGAINER ADVAN F430が優勝を飾った。
昼前ごろから晴天に恵まれた九州オートポリス。全車がグリッドに整列、グリッドウォークが終了したときの気温は17度、路面温度は26度まで上昇した。迎えたスタートでは、上位陣はいずれも好スタートを決めるが、松田次生のIMPULカルソニックGT-Rがやや行き場がなくなってしまうような形になってしまい、その間に外からPETRONAS TOM'S SC430が前へ。ポールスタートのZENT CERUMO SC430を先頭にPETRONAS、IMPUL、そしてMOTUL AUTECH GT-Rが続く展開に。その後方にはARTA NSXがつけたが、10周目の1コーナーでRAYBRIG NSXを抜いて勢いづくENEOS SC430がARTAをオーバーテイク。5番手に浮上する。
トップのZENTはPETRONASとの差をあまり開けず、後方の2台のGT-Rもそれにピタリと続き序盤は展開する。GT300の周回遅れが出てやや間隔は開いたが、中盤戦を迎えレースは激しい展開となる。上位陣の中で4番手のMOTULがやや遅れ、そこにピタリとENEOS、ARTAがつく展開に。MOTULはペースが上がらず、たまらず23周終了時にピットイン、ブノワ・トレルイエから本山哲に交代する。さらに26周目、ARTAとENEOSの争いに急接近したRAYBRIG NSXがENEOS、さらにGT300のトップに浮上したJIMGAINER ADVAN F430を抜こうとした際にアクシデントが発生、JIMGAINER ADVAN F430はスピン、ENEOSはフロントセクションを大きく破損し、後退することとなってしまった。
29周を終えたところで、僅差の戦いを展開していたZENTとPETRONASは同時にピットイン。ここでピット作業を早く終わらせ前に出たのはPETRONAS! さらに、2台がピットアウトしたところには早めの作業を済ませていたMOTULが! しかし、PETRONASの脇阪寿一は本山のMOTULを懸命に抑えトップをキープ。逆にZENTの立川がその後数周に渡って本山にプレッシャーをかけ、32周目の1コーナーでクロスラインをかけオーバーテイク! ZENTが2番手に上がった。一方、序盤3番手を走行していたIMPULは白煙を上げピットへ。マシンを止めることとなってしまった。
GT500勢の中で、ピットインをかなり遅らせる戦略を採って来たのはRAYBRIG。井出有治が後続とのギャップを築こうとしたが、インラップでコースアウト。松浦孝亮に交代、4番手で復帰する。一方、トップを争うPETRONAS、ZENTの2台の戦いは、思わぬ形で終止符が打たれることになる。ピットイン時、ジャッキが下がる前にZENTのタイヤが空転していたため、ZENTにピット作業違反のペナルティが課されてしまう。さらに、59周目のブリッジ下でPETRONASを抜こうとしてZENTがスピン、ガードレールに接触しウイングを曲げてしまい、そのままピットに戻りレースを終えることとなってしまった。
これで2番手にはMOTUL。3番手にはHIS ADVAN KONDO GT-Rが浮上するが、後方にARTA NSX、ROCKSTAR童夢NSX、RAYBRIG NSXが接近。終盤まで僅差の争いとなったが、結局HIS ADVAN KONDO GT-Rが表彰台圏内を守りきった。PETRONASは最後まで脇阪が盤石の走りをみせトップでチェッカー! これでランキングでも首位のMOTULに5ポイント差と迫ることに。4位となったARTA NSXもタイトルの可能性を残すが、かなり厳しい展開になっている。
GT300クラスは、オープニングラップで2番手スタートのCOROLLA Axio apr GTがARTA Garaiyaから首位をうかがうが、ARTA Garaiyaがトップを守る。序盤はGT300らしい接近戦が展開されることとなった。しかし、22周目あたりからJIMGAINER ADVAN F430、UP START タイサンポルシェが後方から猛追をみせ、少しずつ順位を上げる。26周目にはJIMGAINER ADVAN F430がトップに立つが、その直後GT500との接触でスピン、やや後退してしまう。しかし、その間にUP START タイサンポルシェが前へ! さらにM7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7も後方から一気にトップ集団に浮上してきた。
しかし、各陣営がピット作業を終えるとトップに浮上したのはランキング首位のウェッズスポーツIS350。織戸学がトップをキープするが、その後方にピタリと付けてきたのはスピンから復帰したJIMGAINER ADVAN F430。52周目の第2ヘアピンでウェッズスポーツIS350をパス! ウェッズスポーツIS350がその後スピンを喫したためM7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7が2番手に上がり、JIMGAINER ADVAN F430が今季初優勝、M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7、ウェッズスポーツIS350という表彰台となった。
この結果、ウェッズスポーツIS350が74点でランキング首位。4位に入ったARTA Garaiyaが71点。M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7が67点となった。可能性としてはランキング6位となるエスロードMOLA Zまでは可能性を残す。なお、初音ミク Studie GLAD BMW Z4は11位でチェッカーを受けたが、10位のtriple a ムルシェ RG-1がペナルティで競技結果にタイム加算のペナルティを受けていたため順位は10位。念願の初ポイントを獲得することとなった。