3月10日、スバルテクニカインターナショナル(STI)は、5月12日(水)〜16日(日)にドイツで開催される第38回ニュルブルクリンク24時間レースに出場する「STI NBR CHALLENGE 2010」プロジェクトを発表した。
参戦車両はSTIが独自にチューニングを施したインプレッサWRX STI。2008年、2009年の参戦で得たノウハウを活かし車両を新造。エンジンのパワーアップ、ギヤ比の最適化はもちろんのこと、ドアのカーボン化やサイド/リヤガラスのポリカーボネイト化などで大幅な軽量化を施され、容量100ℓ燃料タンクの位置をリヤミッドシップに変更し重量配分の改善と低重心化を図っている。さらに、新たに導入した風洞(ムービングベルト付き1/1)を最大限に活用したエアロパーツを装備した。ブレーキ冷却についても導風ダクトやエアアウトレットを設け、全長26kmの過酷なコースへの備えは万端だ。
また「スバル車の安全信頼性の証明」、「STIの技術の向上・研鑽」というテーマをもっての参戦プロジェクトであるだけに、このマシンにはさまざまな実験的パーツも搭載されている。1月にSTIより発表された「R205」も2009年のニュルブルクリンクで優秀性が証明されたパーツを盛り込んでリリースされるなど、ユーザーへの直接的な還元も期待できる。
この日テスト走行が行なわれたのは富士スピードウェイ。午前中はウエットコンディションだったが、午後には完全ドライ路面となり、スリックタイヤでのテストも行なった。
ステアリングを握ったのは清水和夫、吉田寿博のふたり。本戦に出場するのはこの2名にカルロ・バン・ダムとドイツ人ドライバー(後日公表)を加えた4名という布陣。監督は昨年に引き続きSTI車両実験部長の辰己英治が務める。さらに今年は東京スバルや神奈川スバル、埼玉スバルの特約店からメカニックがチームに加わっている。
インプレッサが出場するのはSP3Tクラス(排気量2000cc以下、過給器付き)。ライバルとなるのはフォルクスワーゲン・シロッコやアウディTT/A3、そして三菱ランサーエボリューションなど強豪ぞろいだ。クラス優勝を狙いニュルブルクリンクに挑むインプレッサに期待したい。