WAKO’S EXE ASTON MARTIN
SUPER GT Rd.1 Okayama 300KM 2014/4/5~4/6
TEAM RELEASE by Arnage Racing
あり谷ありの開幕戦。チーム結成二年目のスタートは素晴らしいシーズンを予感させる、13位完走。
ステージアップを誓い合い、チーム一丸で戦うArnageスピリットは今年も健在!
待ちに待ったAUTOBACS SUPER GT 2014年シリーズの開幕。GT500クラスの車両が全車両統一モノコックの新型車両となり、またGT300クラスも多くのニューマシンが投入されるなどモータースポーツファンが注目するなか、チーム結成二年目となるArnage Racingは、WAKO'S Exe Aston Martinとして新しいカラーリングで2014年シリーズを戦うことになった。チームは一丸となって戦った昨シーズンからの流れをそのままに、加納政樹、安岡秀徒両ドライバーが続投することとなり、開幕戦となるOKAYAMA GT 300km RACEを迎えた。
April 5tn Qualifying
天候:晴れ~曇り 路面状況:ドライ
気温:Q1開始時10℃→終了時9℃ / 路面温度:開始時24℃→終了時16℃
入場者;9,000人
満開の桜に迎えられてサーキット入りしたものの、真冬並みの寒気に見舞われたレースウィークの週末は、車両搬入日から4月とは思えない時折みぞれ交じりの雨の降る悪天候のスタート。しかし予選日には回復して、時折まぶしい日差しものぞく天候となった。
3月15日、16日に岡山国際サーキットで行われた公式テストでは、相次ぐトラブルに見舞われ、対処に追われるまま満足に車両を走らせることのできなかったチームだったが、レースまでの三週間のあいだにテストでの全てのトラブルに対応すべく多くの新品パーツを投入しメンテナンスを実施、不安点が少ない状態で開幕戦を迎えることができた。
その甲斐あってか、9時から行われた公式練習では、車両はいまだかつてないほどに順調なところを見せ、両選手とも公式テストでチェックすることのできなかった車両の感覚を存分に確かめることができた。
*ベストラップは6Lap目に安岡選手が出した1’29.248(22位)。
午後になって曇り空となったがドライコンディションのなか、予選は定刻14時にスタート。昨年中盤からQ1を担当する安岡選手が車両をコースに進めた。
しかし、必勝態勢を敷いた精鋭ぞろいの2014年のGT300クラスは予想通りのコンペティティブな争いが繰り広げられ、上位16台が1分27秒台と昨年のタイムを大きく上回るハイレベルな戦いとなった。安岡選手は8Lap目に1’28.125のベストタイムを記録したが、Q2に進出するには及ばず、明日の決勝は18番手からのスタートとなった。
なお300クラス予選の結果は下記のとおり。
P1 #31 OGT Panasonic PRIUS 新田 守男 / 嵯峨 宏紀 (1'26.774)
P2 #4 グッドスマイル 初音ミク Z4 谷口 信輝 / 片岡 龍也 (1'26.869)
P3 #55 ARTA CR-Z GT 高木 真一 / 小林 崇志 (1'27.034)
P18 #50 WAKO’S Exe ASTON MARTIN 加納 政樹 / 安岡 秀徒 (1'28.125)
April 6tn Race Day
天候:曇り~雨~晴れ
路面状況:ドライ~ウェット~ドライ 気温:9℃→10℃ / 路面温度:22℃→15℃ 入場者:18,000人
予選日はこれまでにない好調ぶりで終日難なく走行したはずの車両だったが、予選終了後のチェックでギアボックスに大きな問題が見つかり、バクダンを抱えることになったチームは、午前中のフリー走行終了後にミッションを降ろしてギアのチェックをすることにした。
一方天候のほうも9時から行われたフリー走行前には強風と雨に交じって細かい雹がばらばらと落ちてくるような荒天。ウェット宣言の出されたコースを、車両はメカニックの見守る中比較的順調に走行して11Lapほど走ったところでピットに戻された。なおのフリー走行での記録は11Lap目に加納選手が出した1’38.006がベストラップで23台中14位。
スタート進行の始まる約三時間、ギアボックスが解体され、メカニックは短いインターバルの間に念入りにギアをチェック、なんとか走行可能なところまで修正して、12:50のスタート進行に間に合わせ、車両は無事グリッドへ。
定刻の14時、フォーメーションラップの後2014年のSUPER GTの幕が切って落とされる。スタートを担当するのは昨年中盤からスターティングドライバーが定着してきた安岡選手。路面温度が上がらず上位車両の順位が変動する中、安岡選手は非常に好調な走り出しを見せ、4Lap目に1’30.470のベストラップを記録したあと序盤14Lapで14位まで順位を上げ、トラブルを抱えたギアを労わりながらも順調に走行して周回を刻んでいく。
スタート時には晴れていた空は曇りはじめ、18Lapの頃には一瞬横なぐりの雨がたたきつけるほどだったがウェットタイヤに替えるには至らず、チームも安岡選手を呼び戻さずに走行を続けた。その後も安岡選手は1分31秒台を中心に好調な走行を続け、24Lap目には順位を11位まで浮上させることに成功、43Lapに車両は給油のためにピットインしたときには9位。ところがタイヤ交換なしで素早いピット作業を終えようとしたとき、無線のトラブルから給油中にエンジンがかかってしまうアクシデントが発生。大事には至らなかったが、主催者からドライブスルーのペナルティを受けることになってしまう。
チームは自身の不覚によって、安岡選手が築いた順位を一旦14位まで落としてしまった。しかし、冷静かつ安定した走行の加納選手は60Lap目に2号車をうまくかわし、順位を一つ上げることに成功、63Lap目に1’32.393のベストラップを出すなど好調なところをみせた。その後も加納選手は、安岡選手同様うまくギアと車両を労わりながら最後まで1分32秒から33秒前半中心の順調なドライビングを続け、82Lapの岡山開幕戦を完走して13位でチェッカーをうけることができた。
その後、車両は力尽きたかコース上で止まってしまい、完走ポイントはゲットできたものの1位車両に2Lap及ばなかったため、1ポイント獲得するにとどまった。
ドライバー二人の健闘にもかかわらずチーム自らのミスによって順位を落としてしまったことは痛恨の極みではあったが、昨シーズンからの、チーム一丸となってトラブルに立ち向かい無欲でレースをするArnage Racingらしい戦い方を今年も再現することができ、幸先のいい開幕戦となった。
P1 #4 グッドスマイル 初音ミク Z4 谷口 信輝 / 片岡 龍也
P2 #7 Studie BMW Z4 ヨルグ・ミューラー / 荒 聖治
P3 #11 GAINER DIXCEL SLS 平中 克幸 / ビヨン・ビルドハイム
P13 #50 WAKO’S Exe ASTON MARTIN 加納 政樹 / 安岡 秀徒
応援してくださったスポンサーの方々には深く感謝しますとともに、今シーズンも変わらぬ応援を賜りますようお願い申し上げますとともに、5月3日~4日に富士スピードウェイで開催される次戦富士ラウンドおきましても、応援のほど宜しくお願いいたします。
<チーム代表 伊藤宗治>
待ちに待ってはじまった2014 SUPER GTシリーズ。今年は、敢えて昨年と同様の体制で臨むこととなり、「もっと楽しむ!」をモットーとしています。
今回のレースは、レースを本業としないわがチームのクルーたちにとっては久しぶりのレースということで、事前テストで発生したトラブルや問題点の確認をしながら、非常にいいスタートが切ることができました。レース自体はエンジニアの無線ミスにより、ドライブスルーペナルティーを受けてしまったものの13位完走という非常にいい結果で終了させることが出来ました。
そして何よりもよかったのは、ギアに、致命的なトラブルを抱えてしまったチームではあったのですが、メカニックの確認作業・暫定対策、スポンサー和光ケミカルさんのギアを守るためのオイル選択、ドライバーのギアを守る為の、走行テクニック及びギア選択……など、まさにチーム一丸となって、致命的なトラブルのあるギアを守り抜いたことだったと思います。応援して頂いたスポンサー・ファンに感謝します。また、素晴らしいタイヤを供給して頂いたヨコハマタイヤ様に感謝します。最後に、GTAのプロモーションでもあるサーキットサファリに出場できなかったことは残念で申し訳なく思っています。
<ドライバー 加納政樹>
まずは開幕戦ってことで、去年からずっとやってきた、予選で若干沈んだとしても決勝でまた追い上げていけるという形が、チームにもドライバーにもある程度定着してきてると思いました。(安岡くんが)戻ったときには8番手くらいだったんで(笑)でもまあドライバーがミスするときもあればチームのミスもあるんでね、それもチームなんで、その中できちっとまとめていければ、自ずといいシーズンになるんじゃないかな。
去年は初めての状況下の中いろんな経験をしましたが、それを踏まえて今日は落ち着いてレースができたし、タイヤ交換なしでも周りとのタイムの差もそこまでないし、第二戦以降楽しくなっていくんじゃないかと思う。チームが掲げている先ず完走というのはできましたので、それをきちっと全戦やっていく中で、どこかでチャンスがあればポイントを獲れればなって思ってます。
<ドライバー 安岡秀徒>
あの公式テストの時の状況から考えるとすごくうまくいった週末でした。ものすごい不安を抱えて岡山にやってきたのですが、昨日しっかりと走行することができて、予選のアタックもそれなりにうまく走れましたので、レースは心配がないなあと一日にして自信をつけていたんです。そこに、今朝になってトラブルの話があって、これは頭を切り替えなきゃということで、レースがスタートしてからはほんとに無理をせず、車とタイヤを労わって走って周りが落ちてくるのを待つという去年の経験を活かした走りで、うまく順位も上げられました。
もちろんペナルティでポイント圏外に落ちてしまったのは残念なんですけれども、それは初めての経験ですし、それはみんなが全力でやっている中で起きていることなので、次に取り返せばいいと思っています。何しろ加納さんも僕も去年の最後のようなパフォーマンスでシーズンをスタートしてまた一年戦えそうなので安心しています。次戦はナニンくんもいるので、楽しみにしています。
第二戦2014 AUTOBACS SUPER GT Round 2 FUJI GT 500km Raceは、5月3日~4日に富士スピードウェイ(静岡県)に於いて開催されます。応援よろしくお願いします。